2021年1月6日
和文誌編集委員会
編集委員長 藤田直孝
会員の皆様、明けましておめでとうございます。昨年は世界中がCOVID-19 対応に明け暮れた1 年で、皆様も様々な困難に遭遇、対処されたことと思います。大変お疲れ様でした。 1 年前に寄稿した新年の御挨拶をみてみると、SARS-Cov2 がこれだけの猛威を振るい、医療を含め社会全体に深刻な打撃をもたらすことへは全く考えの及んでいないことの分かる内容で、改めて人生は先の見えないものという思いを強くしたところです。マスコミの冷静さを欠いた報道姿勢やにわか専門家の無責任な発言などの横行する中、現場で内視鏡検査、治療の実施の可否、設備や装備の追加など、COVID-19 への対応という新たな課題を丁寧に克服してこられた先生方に心からの敬意を表したいと思います。
そのような状況の中でも、昨年の本学会誌への投稿数は増加しました。春先から夏にかけてはさすがに減少傾向でしたが、その後急速に増加し前年、前前年をはるかに上回る投稿をいただき、先生方のアカデミアとしての熱意を感じた次第です。また、秋には日本消化器内視鏡学会総会100 回記念号も発刊することができました。記念誌作成委員会のご努力の賜物ではありますが、学会誌編集委員会からも玉稿を寄稿くださった先生方に厚く御礼を申し上げます。
学会総会もCOVID-19 のあおりを受け、春、秋ともにHybrid 開催となりました。この開催様式のメリットも多く語られていますが、特に若手の先生方が会場で発表するという機会が減少しかねないこと、発表に対する質疑応答が浅薄になりがちなことなど、老婆心ながら危惧するところです。その意味でも、学会誌への投稿はpeer review のプロセスを踏んで掲載に至るという、科学者として大切な経験のできる場ですので、是非活用していただきたいと思います。COVID-19との戦いはまだまだ続きそうですが、皆でこれを克服し、COVID-19 以前を凌駕するような勢いで消化器内視鏡学を発展させていきたいものです。
最後にもう一つ、御礼を申し上げたいと思います。私こと今年度をもって担当役員、編集委員長としての任期を終えることとなります。投稿いただいた論文を可能な限り高いクオリティで出版し、広く会員に共通の知見にしていただこうとの思いで走ってきた11 年余りでした。貴重な論文を投稿いただいた会員の皆様、支えていただいた編集委員の先生方、査読委員をお努めいただいた皆様、事務局の方々に衷心より感謝申し上げます。本誌が新任の役員、編集委員長のもと、益々活性化し発展されることを祈念しております。長い間ありがとうございました。