2019年12月20日
インドのコルカタで開催されたAPDW2019最終日の2019年12月15日、メインホールにて「Asian Pacific Endoscopy Cup」が行われました。APDW参加各国の代表者が内視鏡領域におけるshowcase / rare caseの動画を用いてプレゼンテーションし、評価者の合計得点で優勝が決まるAPDWとしては初めての企画です。
モデレーターはTS Chandrasekar (Medindia Hospitals, Chennai)、評価者はRungsun Rerknimitr (Bangkok)、Jean-Francois Rey (Saint-Laurent-Du-Var)、Fabian Emura (Bogota)、Bronte Holt (Melbourne)、D Nageshwar Reddy (Hyderabad)、MK Goenka (Kolkata)、Yuichi Mori (Tokyo)の先生方が担当されました。
応募ビデオ抄録の中から厳正に9名の代表者が選抜され、各演者が動画を用いて5分間のプレゼンテーションを行った後、質疑応答を行い、7名の評価者が10点満点で評価して合計得点で順位を決めます。なお、会場では、司会者、評価者、演者がそれぞれの母国を代表する衣装で参加されました。
40〜50点の評価が続く中、62点の高得点を獲得した慶應義塾大学医学部消化器内科の岩崎栄典先生の「Successful management of duodenal perforation after endoscopic submucosal dissection (ESD) using endoscopic naso-biliary and pancreatic drainage (ENBPD)」が優勝し、記念のトロフィーと表彰状が授与されました。岩崎先生の演題は、高度かつ難易度の高い手技を鮮明な映像と流暢な英語でプレゼンした結果であり、日本の内視鏡技術の素晴らしさを大いにアピールできたものと思います。2位はDr Vikas Singla (New Dehly)、3位はDr Amol Bapaye (Kolkata)でした。
順天堂大学消化器内科の冨嶋 享先生(膵管ステントの発表)は惜しくも次点(4位)でしたが、スーパーマリオの衣装をまとい、そのパーフォーマンス・話題性から会場を沸かせたという点で、APDW PresidentのMahesh Kumar Gpenka先生自ら、特別賞に値するとして表彰されました。
刺激的かつ独創的な内視鏡治療の動画発表に、終始メインホール会場は盛り上がっていました。
文責;田尻久雄(日本消化器内視鏡学会前理事長、現:特別顧問)
左から森悠一先生(評価者の1人)、田尻久雄(授賞式の授与者として登壇)、岩崎先生、冨嶋先生