会長:
屋嘉比 康治(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
会期:
平成26年10月23日(木)~26日(日)
会場:
神戸国際展示場・ポートピアホテル・神戸国際会議場
プログラム:
第22回 日本消化器関連学会週間(JDDW 2014):
ホームページ:http://www.jddw.jp/jddw2014/index.html
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JDDW Information:
2014年10月に予定されております、第88回日本消化器内視鏡学会総会の会長を仰せつかり、大変に光栄であり会員の皆様には心より感謝申し上げます。非力ではありますが、学会当日まで全身全霊で準備してお迎えしたいと存じます。第88 回総会は神戸での消化器関連学会週間(JDDW 2014)において行われますが、会場は神戸ポートピアホテルおよび国際展示場、国際会議場を使用して開催する予定です。四季の中でも勉学に最適な季節に六甲の山々と大阪湾に挟まれた国際都市の神戸にお出かけいただき、昼間は医学の進歩に触れて夜は国際色豊かな美味しい料理を堪能して明日の診療への大いなる糧を収穫していただきたいと念願しております。
ご存じのとおり、日本の消化器内視鏡はこれまで世界に大きく貢献してまいりました。消化器内視鏡に携わってきた多くの先達や現役の先生がたの献身的な努力と、優秀な機器メーカーとによって、早期の悪性腫瘍の発見を日常的なものとして、また、内視鏡を用いる切除による低侵襲治療や止血操作などのlife saving endoscopyを実現してきました。私が内視鏡検査に接した昭和50年代前半、当時は16mmフィルムを用いた外付けのカメラにて記録することが主体でありましたが、現在ではビデオスコープがどこの医療機関でも用いられ拡大内視鏡や特殊光内視鏡、レーザー内視鏡などにてこれまで発見できなかった微小がんまで診断し、ESD などにて粘膜下のsm1までの早期がんであれば大きな広がりを持つ病変でも切除できる時代となっております。まさに隔世の感を感じる今日この頃です。しかし、この先端的な手技や技術も人である医師と人である患者さんの間で行われることであり、その意味から人と人の間を意味する「仁」の術であることを思い起こすとき、「仁術の内視鏡」の実現が重要と考えます。さらに、コンピューターを装備した最先端機器の進歩に浴することができる今日だからこそ、今まで内視鏡学の進歩を作り上げてこられた先達が所見の意味や治療の問題点を熟慮し悩んで解決してきたことを思うと、まさに機器の機能に頼りきるのではなく、「考える内視鏡」が重要と思われます。それらの意味から「仁術の内視鏡」、「考える内視鏡」を目標としてあげたいと思います。さらに日本において達成された先端的技術については、世界においてはまだ一部の国や地域のみで施行されるに留まっており、世界での評価はこれからです。国内においても大都市以外では、専門医不足のため、内視鏡学の進歩の恩恵を十分に受けていないのが現状と思われます。地域医療を発展させるためにも、内視鏡学の「教育」のあり方もきわめて重要な問題であります。今回の本学会においては、まず、今日までの内視鏡学の発展を広く普及するためにより多くの先生にご参集いただき、明日からの診療と未来への発展に役立つ知見や理論の研鑽が行われ、生涯教育の観点から本学会の先生がたに寄与できることを願っております。また、医療の国際化が取り上げられる中、我が国はまさに内視鏡学において大いに世界に寄与できると確信いたしますので、本学会では内視鏡学の国際貢献をテーマとして企画を考えました。パイオニアとして世界で活躍されている先生のご講演や、インターナショナルシンポジウム、あるいはESD ハンズオンセミナーも企画いたしました。世界からの友人に、日本の内視鏡学や技術をご紹介できるものと確信いたします。これから1 年余ではありますが、学会当日までしっかりと準備して、内容が充実した学会を目指して参ります。どうか多くの先生にご参加いただき、内視鏡学のアカデミックな4 日間を楽しんでいただければ幸甚であります。
第88回 日本消化器内視鏡学会総会会長
屋嘉比 康治
見える胃炎と見えない胃炎(内視鏡)
屋嘉比康治
(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
司会:中村孝司(帝京大・名誉教授)
内視鏡治療の将来展望-Robotic technology が内視鏡の将来に何をもたらすか?-(内視鏡)
田尻久雄
(日本消化器内視鏡学会・理事長)
司会:鈴木博昭(神奈川県立汐見台病院・消化器科)
メスか内視鏡か?外科医から見た内視鏡学(内視鏡)
上西紀夫
(公立昭和病院)
司会:熊谷一秀(昭和大・名誉教授)
GI endoscopy abroad: Experience from a 45 year career in the USA
(内視鏡を持って世界へ行こう!自分史(在米45年と海外留学のすすめ。))(内視鏡)
C. Sugawa(須川暢一)
(Department of Surgery, Wayne State University)
司会:R. Fujita(藤田力也)(Professor Emeritus at Showa University(昭和大・名誉教授))
EUS-guided therapy:
Current status and future directions(内視鏡)
R. H. Hawes
司会:K. Yamao(山雄健次)(Department of Gastroenterology, Aichi Cancer Center Hospital(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科))
「炎症と消化器癌-予防のためにどうするか?」
1.逆流性食道炎と食道癌(JDDW)
河野辰幸
(東京医歯大大学院・食道・一般外科学)
司会:平石秀幸(獨協医大・消化器内科)
2.H. pylori感染による「発癌の素地」と胃癌(JDDW)
牛島俊和
(国立がん研究センター研究所・エピゲノム解析分野)
司会:上西紀夫(公立昭和病院)
3.炎症性腸疾患における発癌(JDDW)
渡邉聡明
(東京大・腫瘍外科)
司会:田尻久雄(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科)
4.肝炎ウイルス感染と肝細胞癌(JDDW)
茶山一彰
(広島大大学院・消化器・代謝内科学)
司会:横須賀收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
5.胆道炎症から胆道癌(JDDW)
宇都宮徹
(徳島大・外科)
司会:具 英成(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
6.慢性膵炎から膵臓癌(JDDW)
下瀬川徹
(東北大大学院・消化器病態学)
司会:岡崎和一(関西医大・3内科(消化器肝臓内科))
「消化器系専門医の将来像」
司会:菅野健太郎(自治医大・名誉教授)
森 正樹(大阪大大学院・消化器外科学)
医療-1.内科専門医制度について(JDDW)
渡辺 毅(福島県立医大・腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科)
医療-2.消化器の専門医制度について(JDDW)
滝川 一(帝京大・内科)
医療-3.新しい外科専門医制度の方向性(JDDW)
北川雄光(慶應義塾大・外科)
医療-4.消化器外科専門医制度について(JDDW)
太田哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
医療-5.国民からみた専門医制度について(JDDW)
岩本 裕(NHK放送文化研究所)
日本消化器病学女性医師・研究者の会「女性たちよ、強く優しくあれ」
司会:日野啓輔(川崎医大・肝胆膵内科)
黒川典枝(山口労災病院・消化器内科)
「日本消化器病学女性医師・研究者の会」の集会も、今回で13回となる。本会は2001年に消化器病を専門とする女性医師・研究者有志により設立され、2010年からはJDDWの正式な支援を受けている。今回は、消化器病診療と密接に係わる「放射線被曝」に関して、京都医療科学大学の大野和子教授に特別講演を行っていただく。患者および医療従事者の放射線被曝に関して十分な教育を受けないまま日常業務に従事している医師も多いと思われるし、特に若い女性医師には不安を抱く方も多いようである。是非、この機会にともに学びたい。また、女性ならではの視点で消化器病診療に携わっている方々のユニークな仕事も紹介したい。未曾有の超高齢化社会となりつつある我が国の医療を支えていくためには、男女を問わず、われわれ医師・研究者の力が必要とされている。この会が、微力ながら一助となればと願う。多くの方々の参加を心から期待する。
女医研-1.医療における放射線防護―患者の被曝と従事者の被曝(JDDW)
大野和子(京都医療科学大)
女医研-2.ERCP 検査時の放射線防護具の作成とその効果について(JDDW)
古川善也(広島赤十字・原爆病院・消化器内科)
女医研-3.胆膵内視鏡診療における女性医師のスキルアップを目指して(JDDW)
戒能美雪(山口労災病院・消化器内科)
女医研-4.炎症性腸疾患診療における女性医師の役割(JDDW)
平岡佐規子(岡山大病院・消化器内科)
女医研-5.女性消化器病専門医による内視鏡外来設立と、家庭との両立を支援する当院での
試み(JDDW)
日吉智子(国立岩国医療センター・消化器内科)
統合-2 膵嚢胞性疾患への集学的アプローチ(JDDW(消化器・内視鏡・消外))公募・一部指定
司会:白鳥敬子(東京女子医大・消化器内科)
杉山政則(杏林大・外科)
藤田直孝(仙台市医療センター仙台オープン病院・消化器内科)
膵嚢胞性疾患は多彩な病理組織像を呈する疾患群である。無害性のものから高率に悪性化するもの、悪性病変と、その鑑別診断は治療方針の決定において極めて重要である。一方、膵の解剖学的な特徴もあり、組織診断は必ずしも容易ではなく、画像診断、組織のサンプリングなど集学的アプローチによる診断が必要となる。治療についても外科的切除から放射線・化学療法、内視鏡的治療などによる介入、さらには経過観察と、個々の病態に応じて最適な手段を選別し患者に提供することが求められる。本シンポジウムでは、このような膵嚢胞性疾患に対する研究から臨床までの集学的アプローチの現状について、専門施設の発表を伺い、討論を持ち理解を深める機会としたいと考える。多数の応募を期待する。
統合-4 二つの内視鏡;管腔内治療と体腔内治療のコラボレーション(JDDW(内視鏡・消外))公募・一部指定
司会:矢作直久(慶應義塾大・腫瘍センター)
寺島雅典(静岡がんセンター・胃外科)
近年の内視鏡治療技術の進歩は目覚ましく、従来の管腔内内視鏡治療や腹腔鏡治療の枠を超えた治療が可能になってきた。胃の粘膜下腫瘍や厳しい瘢痕を伴う早期胃癌などに対するLaparoscopy and endoscopy cooperative surgery (LECS)などはその典型例であり、狙った範囲のみを全層切除することにより更に低侵襲な治療を提供できるようになった。また直接的な共同作業ではないが、腹腔鏡処置では常識である定圧自動CO2送気が管腔内治療に導入されたり、軟性内視鏡の特性を生かして体腔内での治療を行うNatural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery (NOTES)が試みられている。むろんNOTESそのものは有効な適応病変が確立されていないため下火になったが、その研究過程で生み出された様々な処置具が新たな可能性を見出しつつある。本セッションでは、従来の単一アプローチによる固定観念に囚われない、斬新な発想での治療法を探ってみたい。
統合-5 炎症性腸疾患における内科・外科の接点(JDDW(内視鏡・消化器・消外))公募
司会:日比紀文(北里大北里研究所病院・炎症性腸疾患先進治療センター)
福田能啓(兵庫医大・地域総合医療学)
杉田 昭(横浜市立市民病院・炎症性腸疾患センター)
抗TNF-α抗体製剤や免疫調節剤が開発され、潰瘍性大腸炎やクローン病の内科的治療は大きく変化した。これまでは腸管切除を選択せざるを得なかった症例でも手術を回避できるようになってきている。一方、クローン病では瘢痕狭窄が原因の手術が増加したとも報告されている。さらに、抗TNF-α抗体製剤や免疫調節薬に対する不耐症や無効例も経験するようになってきた。内科治療をいつまで続けるのか、外科のコンサルテーションをいつお願いするのかの検討も必要になってきている。今回は、内科と外科の接点をテーマに掲げ、内科治療の限界、癌化をはじめとする合併症対策、術後のQOLなどを考慮して討論いただき、内科治療で効果的である症例、外科治療が必要になる症例を予測できる内視鏡所見、病態、治療に対する反応性などに関する知見を御発表いただきたい。
統合-6:肝移植後の諸問題(JDDW(肝臓・内視鏡・消外))公募・一部指定
司会:五十嵐良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
菅原寧彦(東京大大学院・肝胆膵外科学・人工臓器移植外科学)
上田佳秀(京都大・消化器内科)
肝移植が本邦に普及し術前術後管理が進歩した今日では、移植後の5年生存率は75%を超えた。その結果として多くの肝移植後患者が長期生存を得られるようになっている。しかし、同時にその中で新たに取り組まなければならない諸問題も理解されるようになってきた。問題を大きく分けると、移植肝の問題として、晩期に発症する急性拒絶反応 (late cellular rejection)、慢性拒絶、原疾患の再発や胆管・門脈・肝静脈などの脈管狭窄、また、移植肝以外の問題では、de novoがん、心血管系合併症、腎機能障害等があげられる。これらの頻度やその治療方針は各施設によって違いがあるだろう。今後のよりよい肝移植後の長期成績のために、それぞれの問題を明らかにし、施設の方針と成績、肝移植患者の晩期における診療体制のありかたも含め示してほしい。
内特企1:公開討論:抗血栓薬ガイドラインを再考する<アンサーパッド>(内視鏡)公募・一部指定
司会:荒川哲男(大阪市立大大学院・消化器内科学)
岡 政志(埼玉医大・消化器内科・肝臓内科)
日本消化器内視鏡学会から抗血栓薬ガイドラインが2012年に発表されてから1年以上がたった。本ガイドラインの導入により、生検などの低侵襲の場合は、抗血栓薬を止めなくてもよいケースがかなり増えたと思われるし、また高侵襲の手技でも血栓薬の整理がなされていたりして、臨床上は非常に便宜がはかられるようになったと思われる。一方で、このガイドライン上での安全性について、一般臨床に普及した現時点で改めて検討する必要がある。大規模なデータを元に出血と心・脳血管疾患への両方の視点から安全性について議論したい。また新しい抗血栓薬が次々と登場しており、この面でも検討が必要である。この特別企画ではアンサーパッドなど双方向的手段も用いながら、ガイドラインについての問題点を明らかにしたい。一般公募では多数例のデータをお持ちの方にご発表いただき、一部指定でガイドラインの作成に携わった方のご意見も頂戴したい。
Symposium
IS-S5.Prevention and early detection of colon cancer(大腸がんの予防と早期発見)
(消化器・内視鏡・消外・検診)公募・一部指定
Chairperson:
Colorectal cancer (CRC) is amongst the most commonly encountered neoplasms worldwide, and both its prevalence and mortality have been increasing. Therefore, new strategies are needed to lower the burden of this disease. Recently, the effects of more than 200 agents (for example, non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs), aspirin and selective cyclooxygenase-2 (COX-2) inhibitors) in preventing or protecting against CRC development have been evaluated. However, there are as yet no established methods to prevent CRC because of the lack of demonstrable efficacy and/or some adverse effects of the agents examined. On the other hand, removal of colorectal polyps has been shown to reduce the risk of future development of colorectal cancer and advanced adenoma, although there are still insufficient data on the recommended period of colonoscopic surveillance after polypectomy, especially in Japan. Moreover, the problems of missing and standardized colonoscopic observation methods have not been resolved yet. We hope to discuss possible methods to prevent CRC occurrence and diagnose CRC in the early stage. We sincerely look forward to the discussions being based on high-quality studies in this session!
IS-S6.EUS-guided therapy : Current status and future directions(EUSガイド下治療-現状と将来展望)(内視鏡・消化器・消外)公募・一部指定
Chairperson:
Endoscopic ultrasound guided fine needle aspiration (EUS-FNA) was developed to enhance the diagnostic capabilities of EUS by providing cytologic and histologic samples to support imaging interpretations. More than 25 years have passed since EUS-FNA was first introduced. One outcome of the significant growth and maturation of EUS-FNA throughout the world has come the development of EUS guided therapies such as EUS-guided celiac plexus neurolysis, tumor ablation, drainage of pancreatic fluid collections and intra-abdominal abscess and the development of anastomosis. These interventions can be traced directly to the ability to very precisely place a needle into structures adjacent to the GI track – a technique learned from experience with EUS-FNA. Though these techniques have potential to be less invasive and safer than surgery, the standardization of these techniques and long-term result of their efficacy and complications have not yet determined. This international symposium will discuss the current status of these techniques and will explore the current experimental and clinical trials which will determine future directions for therapeutic EUS.
IS-S7.Mucosal healing in IBD practice: definition, prognostic significance and monitoring(IBD診療における内視鏡の役割)(内視鏡・消化器・消外)公募・一部指定
Chairperson:
Recent IBD studies have identified mucosal healing as a key objective and parameter for prognosis beyond symptom control. It may be defined after resolution of endoscopically visible ulcers. In clinical settings how this goal can be achieved? How this surrogate marker can be scoped by colonoscopy or enteroscopy? What timing might be best to evaluate after start of initial therapy, in short or in long term? What class of therapy (immunosuppressant, steroids, biologics, leucocytapheresis, enteral nutrition, prebiotics, probiotics, or any other intervention)would be possible to reach this goal? How mucosal change should be assigned endoscopic score in IBD? These challenges should be discussed between Japanese and overseas participants at this symposium.
Workshop
IS-W1.Host-microbial interaction in IBD(炎症性腸疾患の病態における宿主、腸内細菌の相互作用)(消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
Chairperson:
Genetic loci associated with inflammatory bowel disease (IBD) include pathways affecting alterations in the delicately balanced homeostatic relationship between the gut microbiota and susceptible hosts, which can lead to sustained inflammation of IBD. Thus, the interaction between host genetics and intestinal microbiota in the development of IBD has led to the notion that the rapidly increasing incidence of IBD over the past few decades is caused by an alternation in the microbial environment. Alternation of the microbiota composition associated with IBD is known as dysbiosis. However, the mechanism by which IBD-associated dysbiosis develops is not well understood because it remains unclear whether the dysbiosis could be a cause or consequence of IBD. To elucidate the role of dysbiosis in IBD pathogenesis is very important for the development of microbial-based therapeutic approaches for IBD patients. In this regard, this workshop focuses on the recent findings in host-microbial interaction in IBD, and also we hope that the therapeutic approach targeting microbiota is discussed.
IS-W2.Global current status on gastric cancer treatment≪Video≫(世界の胃癌治療(内視鏡、手術)≪ビデオ≫)(消外・消化器・内視鏡)指定
Chairperson:
There is a global consensus that tumor resection (surgical or endoscopic) is essential for cure of gastric cancer. The methods and extension of resection, however, are controversial and diverse among regions or countries. In this video international session, experts of open surgery, laparoscopic surgery, and endoscopic resection from various countries will show their key techniques. Treatment selection criteria and technical differences are discussed in detail.
IS-W3.International ESD hands-on seminar(ESD hands-on セミナー)(内視鏡)指定
Chairperson:
We will widely invite young participants from overseas and Japan who are enthusiastic for ESD in this session. During three hours of our session, the first half will be used for interactive discussion regarding current status of ESD in different countries through presentations from around 10 representative doctors. Each presentation must be followed by hot discussion with Japanese young panels about what the standpoint of ESD is, and what the desirable way to spread ESD is in individual countries. Questions and comments are welcome throughout the discussion from the floor audience. ESD hands-on training by Japanese experts by using isolated pig models will be carried out in the second half. Overseas doctors who have accepted oral or poster abstracts in this JDDW, including the speakers in this session, can join the ESD hands on training. Ten towers will be prepared in the session floor. The major goal in this session is to grow international friendship and mutual understanding while sharing this session. We are looking forward to having a lot of participants in this first trial of international ESD hands-on training by JGES.
S2.重症急性膵炎の病態と有効な初期治療をめざして(消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:下瀬川徹(東北大大学院・消化器病態学)
竹山宜典(近畿大・外科)
重症急性膵炎では、発症初期の変化が迅速かつ甚大で、初期病態の程度がその予後を大きく左右する。典型的初期病態として、血管内皮障害から血管透過性が亢進し、高度の血管内脱水をきたすことから、初期輸液の重要性が指摘されている。初期病態を制御し治療成績向上を目指すには、初期輸液の至適プロトコールを確立することと共に、血管内皮細胞障害機構や膵および重要臓器の虚血障害の病態の理解に基づいた合理的かつ実施可能な治療戦略を確立する必要がある。本シンポジウムでは、重症急性膵炎の初期病態の解析結果に基づいて、至適初期治療をどのように確立してゆくべきかを討議したい。
S3.難治性クローン病:病態から考えた治療アプローチ(消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
渡辺 守(東京医歯大・消化器内科)
最近のクローン病治療の進歩は著しく、臨床的寛解を超えた「粘膜治癒」や「deep remission」、またはそれ以上に治療目標が高くなろうとしている。一方で、例えば発症早期に手術をせざるを得ない症例や生物学的製剤の導入にも関わらず、効果減弱や不耐などで臨床的寛解でさえ十分に到達し得ない症例も決して少なくない。その一因として、現在のクローン病の治療においては個々の患者の病態はほとんど考慮されていない事が挙げられる。「難治性クローン病」をひとくくりにせず、「なぜ難治なのか?」を考え、免疫学的異常、治療薬の薬物動態や効果発現・効果減弱機構を含めた病態生理的な理解、更にはそれに応じた治療アプローチが必須な時代に入っている。「難治性クローン病」に対して、どのように病態を把握して治療に応用しているのか、各施設の工夫を共有し、難治性クローン病患者に適切な治療を行うために何が必要かを示して戴きたい。
S5.胃がん検診におけるH. pylori感染胃炎の取り扱い(検診・消化器・内視鏡)公募
司会:渋谷大助(宮城県対がん協会がん検診センター)
安保智典(北海道対がん協会旭川がん検診センター)
H.pylori感染胃炎(以下HP胃炎と略す)は2013年2月より保険診療適用疾患となり、実診療上の制約が大幅に軽減された。HP胃炎はその特徴的な所見を捉えることで胃がん検診画像における判定が可能とする文献も報告されている。もし、検診画像でも十分HP胃炎が判定できるのであれば、画像で捉えられるHP胃炎を胃がん検診でどのように取り扱ったら良いかが問題となってくる。今のところ検診で指摘可能なHP感染胃炎には取り扱い上の合意がない。そこで本シンポジウムでは胃がん検診でHP胃炎を扱うことの可否を含めて、画像診断におけるHP胃炎判定の精度、受診者への周知方法、事後管理方法、医療機関の受け入れ余力といった観点から胃がん検診システムでHP胃炎を取り扱う場合の問題点と対策や胃がんリスク評価との関係などを多角的に議論し、内視鏡を含めた画像診断による胃がん検診におけるHP胃炎取り扱いの指標を得るための足掛かりとしたい。検診機関ならびにHP胃炎診療に関わる全ての医療機関から広く意見を持ち寄っていただきたい。
S6.胃がんリスク評価の現状と問題点(検診・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:吉原正治(広島大保健管理センター)
鎌田智有(川崎医大・消化管内科)
胃がんリスクを評価することは胃がん対策において重要である。現在、胃がんリスクの中で最も明らかなH. pylori感染は低下してきており、さらに、2013年2月からH. pylori感染胃炎に対する除菌治療が保険適応になり、リスク評価と検診・診療の組み合わせ方も、改めて検討する必要がある。胃がんリスク評価の中でもH. pylori抗体とペプシノゲン(PG)値の組み合わせによる、いわゆるABC分類は、胃がんの高危険群の絞込みだけでなく、胃がん低危険群を抽出できる特徴がある。そして、ABC分類では低危険群は概ねA群と判断され、その比率は年々増加しているが、A群のなかにH. pylori既感染者や感染持続者が混入することが問題であり、その要因として除菌後症例、H. pylori自然消退、抗体偽陰性などが指摘されている。今後、診療・検診の場とも、除菌後の例が一層増加し、これらの要因はさらに多くなることが予想される。また、リスク評価は胃がん診断の形態学的検査との組み合わせ方が肝要である。本シンポジウムでは胃がんリスク評価、ABC分類の現状とこれまでの問題点に対する適切な対応、他のリスク評価法の組み合わせについても検討することにより、H. pylori除菌時代における今後の胃がんリスク分類の意義とその正しい運用法を討論したい。
S8.HP研究の新時代 ―病態生理から除菌まで―(消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:杉山敏郎(富山大・3内科)
村上和成(大分大・消化器内科)
2013年2月にH. pylori (HP)感染胃炎の除菌が保険適用となり、HP感染者の総除菌時代が到来している。近い将来、胃癌の抑制や撲滅が期待されるが、未だに多くの胃癌が発症しているのが現状である。HPに関する基礎・臨床研究について多くの知見が集積されてきたが、除菌が本格化するこれからが新時代とも考えられる。HP感染による胃炎・胃癌の発生機序については菌側の病原因子、細胞内シグナル、ゲノムおよびエピゲノム異常、幹細胞との関連など多くの研究が進んでいる。また、臨床分離株の全ゲノム配列解読が進むにつれて、胃・十二指腸疾患だけでなく、ITPなど胃外疾患の病態との関連が解明される可能性もある。HP除菌後は、胃粘液、胃酸分泌、粘膜の炎症・萎縮など様々な病態生理学的、病理学的、分子生物学的な変化が起こることが示されているが、機能的疾患、除菌後胃癌発症のリスク因子等に関するエビデンスも十分ではない。さらに、除菌治療が盛んになると三次除菌対象者の増加も予想され、その対策も必要である。今回「HP研究の新時代」をテーマとして、これまでの基礎・臨床研究を見直し、数多くあるHP関連疾患の病態の解明ならびに的確な除菌治療とその後の変化、そして、これからの展開も視野に入れた演題を募集する。
S9.画像強調内視鏡(Image Enhanced Endoscopy)および顕微内視鏡観察(Microscopic Endoscopy)の最新の知見-上部消化管(内視鏡)公募
司会:貝瀬 満(虎の門病院・消化器内科)
井上晴洋(昭和大江東豊洲病院・消化器センター)
通常の白色光内視鏡による診断能の限界を打開するために、様々な画像強調内視鏡(IEE)が開発されてきた。NBI、AFI、FICEといった第一世代ともいえるIEEには優れた特長がある一方で光量不足や画質の問題点も指摘されてきた。従来のIEE課題を克服する、新型Narrow Band Imaging (NBI)、Blue Laser Imaging (BLI)、i-Scan OE (Optical Enhance) などの新しいIEEが臨床使用できるようになった。これらのIEEを用いることで、効率的な早期消化管癌の拾い上げ診断、より正確な消化管癌の質的・量的診断が期待されている。本セッションでは、咽頭から十二指腸まで上部消化管における、従来のIEEを用いた新たな知見、新しいIEEの有用性や優位性、Endocytoscopyや分子イメージングなど次世代のIEEの意義と可能性など、最新の知見に関する演題を広く募集し、IEEの現時点での意義と今後の展望について活発な論議を行いたい。
S10.画像強調内視鏡(Image Enhanced Endoscopy)および顕微内視鏡観察(Microscopic Endoscopy)の最新の知見-下部消化管(内視鏡)公募
司会:緒方晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター)
田中信治(広島大病院・内視鏡診療科)
NBI/FICE/AFIなどの画像強調観察(IEE:Image Enhanced Endoscopy)が臨床導入され多くの知見が導き出されて来たが、近年、内視鏡機器の発展によってNBIはDual focus機能を搭載した高画素で明るい光源のLUCERA ELITEでさらにパワーアップした。この新光源はAFIの診断能力の向上にも寄与する。FICEに代わってBLIが登場し、BLIとNBIの診断能力の比較検討もなされている。このようなハード面の発展に伴い、従来の機器で行った研究成果の再検討が必要になり、様々な診断基準や分類の評価、Validation studyが改めて行われている。一方、共焦点内視鏡観察や超拡大観察などの顕微内視鏡観察も確実に進歩している。このシンポジウムでは、IEE機器の改良・機能の向上した現状を背景としたsporadicな腫瘍のみでなく、炎症性腸疾患・炎症関連腫瘍を含めた大腸病変に対するIEEと顕微内視鏡観察の最新の科学的知見を発表して頂きたい。
S11.胃静脈瘤治療の現状と問題点(内視鏡・消化器・肝臓・消外)公募
司会:小原勝敏(福島県立医大附属病院・内視鏡診療部)
國分茂博(新百合ヶ丘総合病院・肝疾患低侵襲治療センター)
胃静脈瘤治療は、主に内視鏡治療やInterventional Radiologyを応用した治療(B-RTOなど)が行われているが、緊急止血に関してはシアノアクリレート系薬剤(CA)を用いる内視鏡治療が第一選択であることはコンセンサスが得られている。CAのうちヒストアクリルは2013年4月にようやく胃静脈瘤に対する医療材料として薬事承認が得られ、今後救急を含めた治療現場に拡がるものと思われ、その対応については現状を把握する必要がある。一方、待機・予防的治療に関しても、2014年春から医師主導の前向き治験「モノエタノールアミンオレイン酸(EO)を使用するBRTOによる胃静脈瘤治療の有効性及び安全性の検討」がスタートする予定である。ヒストアクリルやBRTOによる胃静脈瘤治療の保険適用に向けて努力している現況において、本シンポジウムでは、実際の臨床現場における様々な問題点を明らかにし、より安全かつ効果的な治療を行うためにはどうすべきか、その方策について提起して戴きたい。
S12.生活習慣病と脂質・胆汁酸代謝(消化器・内視鏡・肝臓)公募・一部指定
司会:田妻 進(広島大病院・総合内科・総合診療科)
松﨑靖司(東京医大茨城医療センター)
肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病と関わりをもつ消化器疾患としては、食道癌、大腸癌、脂肪肝、虚血性大腸炎、胆石症、膵炎などがあり、いわば“消化器生活習慣病”とも言える。近年、その発症機序には脂質・胆汁酸代謝の関与が明らかとなってきた。腸肝循環を営む胆汁酸は小腸内で脂質や脂溶性ビタミンの消化・吸収を調節し、胆汁酸レセプターの発見を機に、様々な代謝経路を遺伝子レベルで制御する「シグナル分子」として注目されている。さらに、脂質・胆汁酸代謝関連分子の遺伝子異常と消化器疾患の関連が報告されつつあり、遺伝子レベルでの脂質・胆汁酸の関与が示唆される。本シンポジウムでは、食道癌・大腸癌・肝癌発癌、NASH、NAFLD、胆汁うっ滞(PBC、PSC)、胆石症、膵炎など消化器生活習慣病と脂質・胆汁酸代謝との関連について基礎研究からの臨床応用性、臨床における病態解析に基づく治療戦略などを中心に議論したい。
S13.安全で苦痛・見落としのない大腸内視鏡≪ビデオ≫(内視鏡・消化器・検診)公募
司会:久山 泰(帝京大附属病院・内科)
松橋信行(NTT東日本関東病院・消化器内科)
近年の大腸癌等の増加に伴い大腸内視鏡の検診、診断、治療の各局面での重要性がいよいよ大きくなってきている。一方で大腸内視鏡は比較的苦痛や偶発症が多く、見落としも発生しやすい。大腸内視鏡の広い普及とその質の担保を両立させていく必要があり、当シンポジウムではこれについての工夫を取り上げる。内視鏡手技はもちろん、検査対象選定、背景疾患対策、前処置、検査環境等についての検討も期待したい。見落としの有無の客観的な評価には困難が伴うため、その点については必ずしも評価が完結していなくても構わない。安全性、苦痛、見落としに対する対策は相互に対立する面もあり、その兼ね合いについても検討したい。高度・特殊な技術というより、誰にでも利用できるような現場ですぐに役立つ工夫についての発表を歓迎する。なお、通常型内視鏡を主な対象とするが、カプセル内視鏡についての発表も受け付ける。
S16.潰瘍性大腸炎術後の諸問題(消外・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:岩男 泰(慶應義塾大・予防医療センター)
池内浩基(兵庫医大・炎症性腸疾患外科)
潰瘍性大腸炎(以下UC)の手術適応は難治、癌/dysplasia、重症・劇症に分類される。手術の目的は救命とQOLの向上である。術後早期のQOLを左右する要因としては、排便回数とsoilingの問題がある。多くの症例では術後3ヵ月程度で安定するのが一般的であるが、症状の回復が不十分な症例も存在する。一方、長期的な問題点で最も頻度が高いのが回腸嚢炎である。回腸嚢炎の発症率は、欧米の症例よりも低いと報告されているが、約1/3の症例が難治性となり治療に難渋する。また、以前は経験することのなかったような、胃・十二指腸や小腸にUC類似の病変を生じ、大出血や穿孔のために治療に難渋した症例の報告が増加している。さらに、腸管合併症として認識されている関節炎や壊疽性膿皮症も、術後に増悪することもある。術後早期の問題点、長期的な問題点ともに、症例を共有することにより、治療法への道筋をつけることができれば幸いである。
S18.先端的内視鏡機器の有用性と問題点(内視鏡・消外)公募
司会:芳野純治(藤田保健衛生大坂文種報徳會病院・内科)
猪股雅史(大分大・消化器外科)
消化器内視鏡は開発当初においては観察・撮影のみであったが、その後、生検が可能になり、さらに止血鉗子などのデバイスが開発され、治療が行われるようになった。さらに近年では、ESDによる各種の消化器がんの治療、食道アカラシアの治療なども行われるようになっている。また、カプセル内視鏡が導入され、その適応も拡大してきている。外科領域においても腹腔鏡・胸腔鏡による治療、さらにNOTESが行われている。これらの進歩の中で、内視鏡機器の開発は極めて重要であり、これらの手技の進歩を支えてきた。本シンポジウムでは、新しい先端手技を支える内視鏡機器、関連するデバイスについて、その有用性と問題点を明らかにすることにより、今後の開発の礎にしたい。多数の演題の応募を期待する。
S19.食道胃接合部早期癌の治療(ESD~手術まで)(消外・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:瀬戸泰之(東京大大学院・消化管外科学)
小野裕之(静岡がんセンター・内視鏡科)
食道胃接合部癌が増加していると言われているが、その治療戦略が確立されているとは言い難い。特に、早期癌においては、その生物学的特性、たとえばリンパ節転移の危険因子などの解明も不十分である。そのため、ESD適応条件および治癒切除基準や適切なリンパ節郭清範囲も標準化されていないのが現状である。そこで本シンポジウムでは、ESDで根治しうる条件や、リンパ節転移の可能性がある場合の郭清範囲などを論じていただきたい。ESDまたは外科切除後の短期・長期成績や転移を来した症例など幅広く募集する。発生母地、すなわちバレット上皮、噴門腺、扁平上皮で生物学的特性に差があるのか、すなわち治療を差別化する必要があるのかまで示していただければ、と考えている。
S20.化学放射線療法を用いた食道がん治療の新展開(消外・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:北川雄光(慶應義塾大・外科)
大津 敦(国立がん研究センター・早期・探索臨床研究センター)
食道がん治療においてはほぼ全ステージにおいて集学的治療が主体となっているが、国内外の手術成績の差や組織型の違い、臨床試験の絶対数の不足などから世界的にも標準化はまだ十分ではない。化学放射線療法(CRT)に関しては、根治的化学放射線療法としてT4症例など局所進行例を中心に導入が進められてきたが、JCOGにおいてstage I症例に対する外科手術との比較試験、EMR後のadjuvant CRT、stage II/IIIを対象とした術前CRTや根治CRT+必要例での救済手術などより早いstageの症例に対する治療応用が臨床試験として評価されつつある。放射線照射法の進歩などにより以前懸念された晩期障害の発生などの改善もみられている。本シンポジウムではこれらの新しい臨床試験での成果や現状での課題、今後の方向性などについて議論したい。
PD2.高齢者の消化管出血とその有効な対策(消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:坂本長逸(日本医大・消化器肝臓内科)
平田一郎(藤田保健衛生大・消化管内科)
高齢者は本邦の法令やWHOの定義では65歳以上としているが、本セッションでは70歳以上を高齢者として取り扱うこととする。高齢者の消化管出血は、その病因、病像などが若・中高年者とは異なる傾向を示すと考えられる。また、高齢者では全身疾患の合併頻度も高くなるため、消化管出血に対する検査や治療においても特別な配慮が求められるであろう。高齢者では抗血栓薬を服用している者も少なからず認めるが、2012年、「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」が示された。このガイドラインはエビデンスに基づいて作成されたものであるが、実地臨床の場でその有用性の検証を積み上げることも必要である。以上のことを念頭に置きながら、高齢者の消化管出血の病態を明らかにし、それに対する予防、検査、治療に関する知見を発表して戴き、その有効な対策について討論を行いたい。
PD3.GERD―今何が問題とされているか(その争点)(消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:後藤秀実(名古屋大大学院・消化器内科学)
木下芳一(島根大・2内科)
GERDに関しては消化器病学会でガイドラインが作成され、診療に関する多くの部分でコンセンサスが得られている。しかし、最近では新たな問題が出現し、検討と議論が行われている未解決の領域も存在する。本パネルディスカッションでは、GERDに関係した領域で現在問題とされているテーマのうち、重要と考えられる2テーマに絞って各施設から現状を報告していただき、十分なディスカッションを行いたい。第1のテーマは「バレット腺癌は日本では増加しているのか、いないのか?」として、欧米でバレット腺癌が著しく増加している中での日本のバレット腺癌の現状と今後の対策に関して討論を行いたい。第2のテーマは「PPIに関する諸問題、その安全性」として、PPIの長期使用や多剤との併用が広く行われている中で、PPIの安全性に関して重点を置いた発表をいただき討論を行いたい。「バレット腺癌が増加しているのか、いないのか?」「PPIに臨床上問題となる副作用があるのか、ないのか?」に関して成績を有するグループからの演題を歓迎する。
PD4.自己免疫性肝胆疾患:病態解析と治療の工夫(肝臓・消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:銭谷幹男(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科)
大平弘正(福島県立医大・消化器・リウマチ膠原病内科)
本パネルディスカッションでは、臨床的な観点からAIH、PBC、PSCおよびIgG4関連疾患における病態解析と治療抵抗例に対する対応や新規治療法について発表頂きたい。AIHでは新たな疾患標識マーカーや重症化をきたす急性肝炎例の病態と対応が課題である。一方、軽症例や高齢発症例の取り扱い、ステロイド中止可能例などの論点も想定される。PBCでは疾患感受性遺伝子との臨床病態との関連、進行が予測される症例への対応、Bezafibrateの長期予後などについて討論を進めたい。さらに、新たな病理分類による予後との関連についても明らかとしたい。PSCでは炎症性腸疾患との関連も含めた自己免疫病態の解析、内科的治療法および移植後の再燃が問題である。また、IgG4 hepatopathy、IgG4関連硬化性胆管炎の単独発症例の病態、PSCとの鑑別も含め治療反応性など解決すべき課題がある。これら様々な観点から、わが国の自己免疫性肝胆疾患を捉え、診療の進歩に繋げたい。多くの演題の応募を期待している。
PD9.H. pylori除菌療法-胃癌死亡を減少させるための戦略を巡って(内視鏡・消化器・検診)公募
司会:一瀬雅夫(和歌山県立医大・2内科)
上村直実(国立国際医療研究センター国府台病院)
H.pylori除菌療法の保険適応が拡大され、懸案であった慢性胃炎が対象として認められるに至った。この背景には超高齢社会を迎えた我が国が直面する医療上の課題であるがん対策の中でも、重要な対象の一つである胃癌の主たる原因がH.pylori感染に有ることが明確になった事実が存在する。今回の保険適応拡大はH.pylori感染者全てを対象としたものであり、H.pyloriを駆逐する事で将来的に胃癌を根絶せんとする国を挙げての堅い決意の表れと評する事が出来よう。一方、胃癌の発生は環境因子と宿主因子の相互作用に由来する典型的な多段階発癌、あるいは慢性炎症を基盤とする発癌として理解されているものの、H.pyloriによる発癌機構の詳細は不明な状態にある。特に動物実験、観察研究、介入研究を通じてH.pylori関連胃炎の病期進行に伴って除菌による胃癌発生抑制効果が限定的になることが知られているが、このような点を踏まえた上で、原因療法である除菌療法という武器を手にした今、これを如何に的確かつ効率良く使いこなして胃癌発生抑制の実効を上げるかが問われており、また、国際的にもこの“壮大なるトライアル”とも言うべき決定が関心を集めている所である。創意あふれる多数の御演題を御待ち申し上げる。
PD10.対策型内視鏡検診の現状と問題点(検診・内視鏡)公募・一部指定
司会:小林正夫(京都第二赤十字病院・健診部)
安田 貢(KKR高松病院・健康医学センター)
厚生労働省研究班による「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」では、胃内視鏡検診の推奨グレードをIとし、「対策型検診としての実施は推奨しない」としている。しかし実際には、市町村や企業の対策型検診としての胃内視鏡検査はすでに多くの施設で実施されており、X線検査よりも多くの早期癌を発見している。今後、国民の健康寿命延伸のためにも質の高いエビデンスが求められるとともに、次のような点も再検討する必要があろう。すなわち、検診参加医師に対する研修と教育、胃内視鏡検診の過剰診断が本当に不利益なのか、偽陽性・偽陰性はどのように把握し、またどの程度許容できるのか、検診での偶発症の実態はどうなのか、さらには胃癌リスク評価をどのように位置づけるのかなどの諸問題である。今回は、各施設における住民や企業を対象とした対策型内視鏡検診の取り組みの現状と問題点を提示していただき、よりよい内視鏡検診のあり方を提言できるようなパネルディスカッションとしたい。
PD11.肝硬変合併症の新しい治療戦略(肝臓・消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:村脇義和(鳥取大・機能病態内科)
森脇久隆(岐阜大大学院・消化器病態学)
肝硬変の原因療法が可能と成りつつあるが、未だ合併症の対策が必要な現況である。本パネルディスカッションでは合併症対策の現状および問題点を討論し、今後の治療戦略へ繋げたい。肝性脳症では、ミニマル脳症の早期診断治療、脳症とカルニチンとの関連などが注目されている。難治性腹水に対してアルブミン輸液併用腹水排液療法、TIPSなどが行われているが、その効果および予後との関連については一定の成績が得られていない。最近では腹水患者の10%前後で特発性細菌性腹膜炎を認めており、その対策も重要な課題となっている。食道・胃静脈瘤に対して内視鏡的治療やBRTOが積極的に行われているが、肝実質機能への影響および予後との関連についても討論したい。また、門脈血栓症の治療の実態についても取りあげたい。
PD14.アカラシアの治療選択(拡張術、POEM、LAP)(消外・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:草野元康(群馬大・光学医療診療部)
小村伸朗(東京慈恵会医大・消化管外科)
アカラシアは下部食道括約部の弛緩不全と食道体部の蠕動運動障害を認める原因不明の機能性疾患である。ほとんどの患者がつかえ感を訴え、30-40%程度の患者に胸痛を認める。稀な疾患であるが、取扱い規約が2012年、約30年振りに改定され、新たなる食道内圧検査法であるhigh resolution manometryが導入されるなど、話題性に富む疾患である。代表的な治療方法として、内視鏡的バルーン拡張術と外科的手術(粘膜外筋層切開術)があり、外科的手術は低侵襲治療として、腹腔鏡下手術が標準的アプローチになった。一方、近年内視鏡的治療としてPOEM(per-oral endoscopic myotomy)が行われるようになり、良好な初期治療成績が報告されている。しかしながら、どの患者にいずれの治療法を選択するのか明確な基準はない。本パネルディスカッションでは、さまざまな観点から機能評価をして頂き、病態に則した治療法を討論して頂きたい。
PD15.Barrett食道(食道癌を含む)は増えているのか-現状と対策(内視鏡・消化器・検診) 公募・一部指定
司会:高橋信一(杏林大・3内科)
河合 隆(東京医大病院・内視鏡センター)
Barrett食道が、食道腺癌の前癌状態として注目されて久しい。食事の欧米化に伴う胃酸分泌能の亢進、H. pylori感染率低下に伴う萎縮性胃炎例の減少、など本邦においても逆流性食道炎が増加しており、当然Barrett食道も増加してくると考えられるが果たしてそうだろうか?食道腺癌も増えているのだろうか?本パネルディスカッションでは、Barrett食道、食道腺癌の現状を明らかにし、その対策についても討論したい。疫学から病態、また定義、診断法から治療法まで幅広く演題を募集する。奮ってのご応募を期待する。
PD16.腹腔鏡下肝切除のコンセンサス(消外・内視鏡・肝臓)公募・一部指定
司会:高山忠利(日本大・消化器外科)
若林 剛(岩手医大・外科)
腹腔鏡下肝切除が保険収載されて2年以上が経ち、徐々にではあるが広く普及して来ている。2014年の10月4日と5日には盛岡市で第2回腹腔鏡下肝切除術 国際コンセンサス会議が開催され、海外での現状やランダム化比較試験の結果、major hepatectomyの短期及び長期成績などが議論される予定である。本パネルディスカッションでは、各施設から本術式の短期・長期成績をご提示頂き、開腹肝切除との違いを論じて頂きたい。また、肝細胞癌や肝転移治療の中で本術式をどう位置づけ、低侵襲肝細胞癌治療としてラジオ波治療とどのように使い分けるのか?さらに、本術式を安全に施行するための工夫や標準化への試み、シミュレーションとナビゲーションの役割等をお示し頂きたい。最後に本術式の安全性と有用性を示すランダム化比較試験は可能であるか、可能であるとすればどうすれば良いかを議論したいと思う。
PD17.悪性消化管・胆管閉塞に対する内視鏡的金属ステント治療の進歩(内視鏡・消化器・消外)公募
司会:前谷 容(東邦大医療センター大橋病院・消化器内科)
小泉浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
伊佐山浩通(東京大・消化器内科)
消化器領域では、消化管、胆・膵管などの閉塞により種々の病態が発生する。これらの病態改善にはステント治療が有用であり、より良い治療のために病態に即した色々な工夫がなされてきている。今回のセッションでは、消化管・胆管の金属ステント治療に焦点をあて、閉塞の原因も悪性腫瘍による狭窄に限定したい。消化管と胆管閉塞では病態、手技、使用するステントの種類ともに異なるが、施行する医師はかなりオーバーラップしている。そのため、各領域の討論から、他の領域に応用できる技術、知識を得ることを目的として本セッションを企画した。悪性腫瘍による閉塞では根治切除可能例に対するBridge to surgery (BTS)と非切除例に対するPalliativeなステント治療があり、それぞれ適応や手技について臨床に即した討論を行いたい。消化管では食道、十二指腸、大腸、胆管では肝門部と中下部、そして経乳頭、経消化管壁的なドレナージ術がある。多岐にわたる病態と種々のアプローチルートについて広く討論を行い、専門の異なる分野で情報交換ができれば幸いである。
W1.腸粘膜防御機構の維持と再生をめざして(消化器・内視鏡・消外)公募・一部指定
司会:藤本一眞(佐賀大・内科)
今枝博之(埼玉医大・総合診療内科)
小腸は消化吸収のみならず、腸管関連リンパ組織(GALT)により腸管粘膜の免疫防御システムとして機能し、腸内細菌や食事抗原に対する免疫寛容の誘導と病原体の排除機構が両立している。腸管内の抗原刺激をリンパ系細胞が情報伝達したのち、再び腸管へマイグレーションしており、外来抗原に対する恒常性維持に重要な役割を果たしている。しかし、虚血や感染、薬剤、慢性炎症などによりそのバランスが破綻して腸粘膜傷害が惹起されるが、そこに栄養素や腸内細菌叢も関与している。これまで病態の解明や治療、予防に関してさまざまな報告がなされてきた。一方で最近、腸管上皮幹細胞が同定され、その培養技術が確立されて、今後IBDや放射線などによる潰瘍の修復といった再生医療への応用が期待されている。そこで本ワークショップでは腸粘膜防御機構の維持や再生に関して最近の知見をご発表いただき、臨床応用への可能性も含めて議論していただきたい。
W2.大腸がん検診におけるCTコロノグラフィの位置づけ(検診・消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:野崎良一(大腸肛門病センター高野病院)
島田剛延(宮城県対がん協会がん検診センター)
近年、大腸検査法としてCT Colonography(CTC)の有用性が数多く報告され、2012年には診療報酬における大腸CT撮影加算が認められた。臨床では大腸がん診療へCTCを導入する施設が増えてきている。一方、検診についてみると、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針(平成20年、以下指針)においてCTCは全く触れられていない。指針では、大腸がん検診の精密検査の第一選択は全大腸内視鏡検査とすること、および精密検査を全大腸内視鏡検査で行うことが困難な場合においてはS状結腸内視鏡検査と注腸X線検査の併用法を実施することとしている。そこで、本ワークショップでは大腸がん検診における精密検査法として、CTCをどのように位置づけるか考えたい。すなわち、検査精度・処理能力・偶発症・被曝・診断施設基準、撮影・読影の標準化の必要性などを検討し、CTCを精検方法として用いることの妥当性、および妥当ならどのような形でCTCを組み込むべきか議論したい。
W4.胃/十二指腸粘膜防御とその破綻―revisited(消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:樋口和秀(大阪医大・2内科)
内藤裕二(京都府立医大・消化器内科)
成熟した胃/十二指腸粘膜は細胞の増殖、分化、遊走、死を繰り返しながら、粘膜の恒常性を維持している。さらに、外因的(薬剤、食品因子、細菌など)、内因的(胃酸、虚血、炎症、神経など)ストレスに対して、胃/十二指腸粘膜は各種の細胞応答を巧みに利用した生存戦略を発達させてきた。このような粘膜防御機構の分子機構を明らかにすることは、粘膜傷害に限らない炎症、再生、発癌研究につながることが期待される。粘膜を構成する各種細胞にはプロスタグランディン受容体、バニロイド受容体、味覚受容体などが発見され創薬にもつながっている。粘膜防御に関わる細胞応答についても熱ショックタンパク質、Nrf2依存性解毒酵素群、抗酸化酵素群、オートファジー機能などの発見は粘膜防御から発癌につながる分子機構としても注目されている。本ワークショップでは、基礎、臨床に限定しない胃/十二指腸粘膜防御機構に関する最新の話題だけでなく、将来の医療のニーズ(ビジョン)から設定された予備的研究も広く討論の対象とする予定である。
W5.ESD Update:手技とデバイスの進歩からみた新たな可能性は?-下部消化管(内視鏡)公募
司会:山本博徳(自治医大・消化器センター)
豊永高史(神戸大附属病院・光学医療診療部)
大腸ESDが保険適応となり2年が経過した。先駆けて施行して来た施設のみならず一般病院での経験や知見も増加していると思われる。技術的にも手技とデバイスの進歩により開発当初と比較にならないほど施行しやすくなった。しかし、大腸ESDのハードルは依然として高い。安全域の狭さに加え、癒着や占拠部位に起因する内視鏡操作・アプローチ困難例および病変自体の難易度が高い切開・剥離困難例が存在する。こうした困難例や限界例への挑戦は究極に達したのであろうか。本セッションでは大腸ならではの問題点・困難性を今一度整理し克服するための新たな可能性をあらゆる角度から探ってみたい。一方、保険診療に値するESDの質と安全性が担保されているか危惧される。ESD施行環境や周術期管理、導入法・トレーニング法などにも言及して頂きたい。開発中のデバイスや手技の演題も歓迎するが、既報のものに関しては新たな可能性を示すデータを提示している抄録のみを採用させて頂く。
W9.希少消化管疾患の臨床像と問題点(消化管アレルギー含む)(消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:松本主之(岩手医大・消化器内科消化管分野)
金井隆典(慶應義塾大・消化器内科)
消化管領域の代表的疾患として、消化管腫瘍、クローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性炎症性腸疾患、機能性消化管疾患が挙げられる。しかし、これらの疾患以外にも原因不明の難治性消化管疾患が存在する。たとえば、本邦を含むアジア人に好発する腸管Behcet病、本邦では稀とされてきたが近年その報告が増加している顕微鏡的大腸炎やセリアック病、好酸球性消化管疾患、非特異性多発性小腸潰瘍症、Cronkhite-Canada症候群などは、おそらく消化管疾患の専門医が少数ながら必ず経験し、診断や治療に難渋する疾患と考えられる。そこで、本ワークショップでは、比較的稀ではあるが難治性に経過する消化管疾患の臨床像と問題点を検討し、疾患概念、診断基準、あるいは治療法の確立にむけた糸口をみつけたいと考える。たとえ少数例であっても、臨床像の詳細な解析や病態解明に近づく分析は是非提示頂きたい。多くの演題応募を期待する。
W13.Life saving endoscopy(内視鏡・消化器・消外)公募
司会:安田健治朗(京都第二赤十字病院・消化器内科)
永尾重昭(防衛医大・光学医療診療部)
救命・救急医療における内視鏡の役割として Life saving endoscopy (in emergency)という概念が提唱され一つの領域を形成しはじめている。従来、緊急内視鏡という言葉で示されてきた領域を内視鏡からの観点だけでなく、救命・救急の場における内視鏡診療全般の適応や意義、その注意点を明らかにすることが重要になっている。このワークショップでは、救命・救急医療における内視鏡診療の役割と課題、問題点を検討し今後の指標としたい。消化管出血、消化管穿孔や急性化膿性胆管炎、急性胆嚢炎、感染性膵嚢胞など救命・救急医療における内視鏡治療の適応は広く、それぞれの手技の注意点や偶発症とその対策について検討したい。また、近年の高齢化社会に伴って増加している心肺不全など重篤な病態を有する患者の内視鏡診療の適応やインフォームドコンセント、術後管理など議論になる点も多いと思われる。さらに、抗血栓薬服用患者における救急・救命内視鏡の対応など、救命・救急内視鏡が今日直面している課題や問題、その対策など幅広い議論を考えている。多くの演題応募を期待する。
W14.慢性膵炎とその進展予防(消化器・内視鏡)公募・一部指定
司会:岡崎和一(関西医大・3内科(消化器肝臓内科))
神澤輝実(がん・感染症センター都立駒込病院・内科)
慢性膵炎は、膵炎発作を繰り返し膵内外分泌機能不全に進行していく難治性の疾患である。膵石は、膵液うっ滞による膵管内圧の上昇を引き起こし、疼痛の原因になる一方で慢性膵炎の進行を促進する。慢性膵炎の治療の原則は、生活指導や薬物療法などであるが、近年膵石症に対して積極的にESWLや内視鏡的治療が行われるようになった。内科的治療の難渋例が外科的治療の適応になることが多いが、早期の外科的治療が膵機能の荒廃を防ぐのに有効な例もある。2009年に改訂された慢性膵炎臨床診断基準では、慢性膵炎を早期に診断し、治療介入により予後の改善を目指して早期慢性膵炎の概念が導入された。本ワークショップでは、慢性膵炎の進展予防からみた各種内科的治療法の成績と限界や外科的治療法の適応、早期慢性膵炎の長期経過を含めた実態と妥当性などについて論じたい。新しい観点からのpreliminaryな発表も期待する。
W15.微小膵癌発見のための検査・診断法(内視鏡・消化器・検診)公募
司会:山口武人(千葉県がんセンター・消化器内科)
花田敬士(尾道総合病院・消化器内科)
画像診断が進歩した現在でも膵癌の予後は厳しいとされ、早期膵癌の定義は存在しない。一方、膵臓学会による膵癌登録の最新の報告からは、腫瘍径1cm以内の膵癌では5年生存率が約80%と良好な成績が報告されており、今後は腫瘍径1cmでの診断が新たな目標とされている。従来は、US、CTを中心として“腫瘤性病変”に重点を置いた診断アルゴリズムが展開されてきたが、膵癌は膵管癌が大半であり、小径の膵癌を診断するには“膵管病変”に着目した診断法が注目されている。一方、膵癌の拾い上げには、スクリ-ニングが重要であるが、危険因子に注目した拾い上げ、体液等を使用した非侵襲的な検査法の報告が散見されている。また、画像診断としてのFDG-PET、MRI、EUS(FNA)、ERCPおよびその応用手技の位置づけをどうするか?本セッションでは様々な角度からの成績を持ち寄っていただき、“膵癌の早期診断最前線”について討論したい。
W16.消化器における神経内分泌腫瘍(消化器・内視鏡・肝臓・消外)公募・一部指定
司会:篠村恭久(札幌医大・消化器・免疫・リウマチ内科)
平石秀幸(獨協医大・消化器内科)
本邦における消化管・膵神経内分泌腫瘍(NET)の実態については、2005年全国疫学調査が実施された結果、年間受療者数は2800人強、人口10万人当たりの有病者数は2.23人であった。新規発症率は1.01人で同時期の米国の報告に比して約3倍である。2010年には第2回の疫学調査が実施され解析中であり、今後、受療者数の変化、神経内分泌癌の割合、MEN-1の地域分布などが明らかになると期待される。また、膵癌登録報告によると、膵悪性腫瘍のうち悪性膵内分泌腫瘍の割合が数%を占める。神経内分泌腫瘍の進行は緩徐で予後も比較的良好とされてきたが、診断とともに病理学的悪性度、予後決定因子などの評価が重要である。2010年に改訂されたWHO分類は、すべての消化管と膵のNETに共通する組織学的分類法であるが、この分類とstagingに基づいて、治療戦略、すなわち外科治療、内科治療(分子標的治療薬やソマトスタチンアナログ)が選択される。本ワークショップでは、消化器における神経内分泌腫瘍の実態、基礎と臨床(病理、診断、治療など)に関する研究を公募し、本邦におけるNETの現状と今後の対応について議論したい。
W17.消化器系の神経内分泌制御(消化器・内視鏡・肝臓)公募・一部指定
司会:宮坂京子(東京家政大・栄養学科)
乾 明夫(鹿児島大大学院・心身内科学)
消化器系の機能は、主に自律神経および消化管ホルモンなど内分泌系の調節を受けている。ガストリンやコレシストキニンのような古典的な消化管ホルモンに加え、これまでにグレリンやGLP−1など、食欲や代謝調節に関わる生理活性物質も複数見つかっている。自律神経系とこれらのホルモンおよび生理活性物質は、相互に協調して作用することも多い。また、中枢神経と消化管機能との相互作用の存在もよく知られていることである。本ワークショップでは、肝臓機能調節や食欲調節も含めた消化器系機能全般に関する生理的な神経内分泌調節機構と、調節機構が破綻した病態生理について、基礎研究から臨床研究に至るまで幅広く討論することで、疾患発症のメカニズムを理解し、予防、治療につなげていけることを期待したい。
W19.ESD Update:手技とデバイスの進歩からみた新たな可能性は?-上部消化管(内視鏡)公募
司会:飯石浩康(大阪府立成人病センター・消化管内科)
小山恒男(佐久医療センター・内視鏡内科)
ESDの開発から10数年が経過し、表在型の食道癌、胃癌に対する標準的治療となった。開発当初はデバイスや高周波装置も未熟で多くの偶発症が発生したが、手技やデバイスの改良によって、その安全性は向上してきた。ESDの最大の長所は大きく正確な切除が可能な事であるが、広範な切除を行うと狭窄や術後の機能低下を来たしQOLが低下する場合もある。また、時に重篤な偶発症の報告もあり、安全性のさらなる改良が必要である。本ワークショップでは咽頭から十二指腸までのESDを対象とし、手技に関する新たな工夫やデバイスの開発、偶発症予防法や術後のQOLをより向上させる機能温存法などに関する、最新の情報を公募する。各演者は従来法との違いを明確にし、Up dateの情報を提供して頂きたい。
W21.胆管結石治療困難例への戦略≪ビデオ≫(内視鏡・消化器・消外)公募
司会:峯 徹哉(東海大・消化器内科)
糸井隆夫(東京医大・消化器内科)
治療困難な胆管結石に対する明確な定義はない。一般的に砕石バスケット鉗子での把持が困難な巨大胆管結石や積み上げ胆管結石あるいは嵌頓した胆管結石などは治療困難例として紹介されている。一方、結石径はそれ程大きくなくても胆管の狭小化や狭窄が存在する例、あるいは逆に胆管径が太いゆえにバスケット鉗子での把持やバルーン排出困難例も治療困難な結石に含まれる。さらに以前は治療困難と考えられていた胃切術後Roux-en-Y再建例なども治療困難例として捉えられている。こうした治療困難例に対して近年では胆道鏡下にEHLやHolmium-YAGレーザーを用いた砕石術やラージバルーンを用いた結石除去術、そして主に術後胃に対してバルーン小腸内視鏡を用いた治療が行われている。更に最近では胃切術後Roux-en-Y再建例でのバルーン小腸内視鏡治療困難例に対してEUSを用いた胆管rendezvous法や順行性でのEUSガイド下結石除去術なども試みられている。本ワークショップではこうした新しい試みを含めて各施設での困難胆管結石に対する治療戦略を発表していただきたい。多数の応募を期待する。
W22.内視鏡による機能性消化管疾患の診断と治療(内視鏡・消化器)公募
司会:春間 賢(川崎医大・消化管内科)
加藤元嗣(北海道大病院・光学医療診療部)
近年、日常診療において機能性疾患と遭遇する機会が増え、さらに機能性消化管障害(FGID)の概念が普及してきたため、研究者や臨床家の機能性疾患に対する関心が高まっている。機能性疾患の病態は非常に複雑であり、消化管運動、内臓知覚、心理的要因、脳腸ペプチド、粘膜免疫、炎症、腸内細菌叢などの関与が考えられている。器質的疾患の除外には消化器内視鏡による形態学的診断が必須であるが、消化管の機能評価法として消化器内視鏡を用いた試みがこれまでも報告されている。最近では、カプセル内視鏡の登場により平常時の運動機能評価も可能となってきている。そこで、本シンポジウムでは、消化器内視鏡を用いた機能性疾患の診断や病態評価、内視鏡治療の成績や工夫について意欲的な発表を期待する。新たな視点から機能性疾患に対する消化器内視鏡の可能性を議論したい。
W23.小腸疾患診療における内視鏡-カプセル内視鏡、バルーン内視鏡の役割と位置づけ(内視鏡・消化器・検診)公募
司会:中村哲也(獨協医大・医療情報センター)
加藤真吾(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
カプセル内視鏡、バルーン内視鏡の登場により、いままで観察困難であった小腸の腫瘍性病変、潰瘍性病変や血管病変などの診断が容易になっただけでなく、バルーン内視鏡では治療も行えるようになってきた。また、2012年7月よりパテンシーカプセルが保険適用となり、狭窄が疑われる病変やクローン病に対しても適用が拡大され、安全にカプセル内視鏡検査が行えるようになった。しかし、疾患ごとにこれらの2つの内視鏡検査のどちらを、いつ、どのような場合に使用するのかについてはコンセンサスが得られていないのが現状である。そこで、本ワークショップでは、各疾患・病態ごとに、小腸疾患診療におけるカプセル内視鏡とバルーン内視鏡の役割と位置づけについて討議したい。多施設からの意欲的な演題の応募を期待する。