堀内 朗(昭和伊南総合病院 消化器病センター)
2021年5月16日(日)13:10~13:20
リーガロイヤルホテル広島「安芸」(第 8 会場)
本研究会は、日本消化器内視鏡学会の附置研究会として、2018年度~2020年度にわたり活動を行い、春の総会時に合わせて計2回の学術集会を開催、最終回は誌上発表を行った。ここに3年間の活動内容を総括して報告したい。
本附置研究会は、小児の消化器診療に携わっている小児科医・小児外科医が日本消化器内視鏡学会に参加して日本消化器内視鏡学会専門医を取得できる環境を学会とともに構築してくことを目的として設立された。2018年5月12日に第1回研究会が開催され、本邦の小児科医・小児外科医8名が内視鏡研修の現状や内視鏡専門医を取得する上での問題点について発表・議論がなされた。この研究会の中で小児科医・小児外科医が内視鏡研修を実施するためには成人の内視鏡検査・治療において研修する必要性について論じられた。2019年3月28日には、小児科医・小児外科医を対象に大腸内視鏡検査法習得を目指したハンズオン大腸セミナーを開催した。また、日本消化器内視鏡学会研修指導施設の指導責任者対象に小児科医・小児外科医の内視鏡研修の可能性や条件等についてのアンケート調査を実施した。研修に協力できる施設では、数年間週1回の内視鏡研修を研修条件としてあげた施設が多かった。
2019年6月2日に第2回研究会が開催され、小児科医・小児外科医・消化器内科医5名が日本消化器内視鏡学会専門医取得を念頭にした具体的な研修方法について発表された。これまでの2回の研究会での活動内容をもとに、日本消化器内視鏡学会に対して、小児病院を含む小児消化器診療医が消化器内視鏡専門医を取得するにあたっての研修要件等の要望書を提出し、「研修期間5年間のうち2年間の常勤期間を撤廃し、5年間非常勤でも可とする」との回答をいただいた。第3回研究会では、小児特有の消化器内視鏡治療について検討する予定であったが誌上発表のみとなった。
上記の内容は、2018年、2019年の日本小児栄養消化器肝臓学会総会、2020年日本消化器内視鏡学会総会にて発表した。本附置研究会の活動を通じて、小児科医・小児外科医が日本消化器内視鏡学会の支援のもとで内視鏡研修を受けられる可能性が示され、これまでよりは消化器内視鏡専門医を取得しやすい環境になったことは大きな成果であった。わが国における小児内視鏡診療のレベルが高まり、内視鏡診療がこども達の健康な未来のために寄与できることを期待し、これまで以上に内視鏡学会員の先生のご協力・ご指導をお願いしたい。
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