峯 徹哉(東海大学医学部 消化器内科)
伊藤 正祐(医療法人医祐会 伊藤クリニック)
2013年5月12日(日)9:00~11:50(第85回 日本消化器内視鏡学会総会3日目)
国立京都国際会館
経鼻内視鏡が上部消化管内視鏡検査の選択肢として用いられるようになって、約10年が経とうとしている。現在ではその認知性の高さから、被検者の強い要望もあり多くの施設で導入されるようになった。
しかしながら、一般診療所や中小病院、検診施設における高い普及率に対し、大学病院や基幹病院などの大病院では経口内視鏡を用いた検査が多くを占めている。
その要因として前者ではかかりつけ医として、あるいは検診として一次検査の目的で内視鏡を受ける事が多く受容性の高い経鼻内視鏡が好まれ、後者では精密検査や治療を前提とした質的診断が重要視される場合が多く、必然的に経鼻内視鏡の使用頻度は低くなると考えられる。
消化器内視鏡の研修は後者を主とした指導施設においてなされており、その中では経鼻内視鏡を導入していない施設や経鼻内視鏡の件数が非常に少ない施設もあり、研修期間内に充分な件数の経鼻内視鏡の研修を履修することは困難と思われる。
従って今回、消化器内視鏡研修体制の中で経鼻内視鏡検査をどう位置づけて、安全で精度の高い経鼻内視鏡の普及に寄与できるかの展望を議論して頂きたい。
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