代表世話人:
小野 裕之(静岡がんセンター 内視鏡科)
当番世話人:
滝本 見吾 (武田総合病院 消化器センター)
滝沢 耕平(静岡がんセンター 内視鏡科)
会期:
2017(平成29)年5月13日(土) 13時10分-16時
会場:
第9会場(大阪国際会議場10階会議室1009)(第93回日本消化器内視鏡学会総会内)
プログラム:
開会の辞(代表世話人挨拶)(13:10)
小野 裕之(静岡がんセンター 内視鏡科)
(13:15)
司会:滝沢 耕平(静岡がんセンター 内視鏡科)
基調講演
「消化管領域におけるポリグリコール酸シートとフィブリン糊併用法の現況と今後の課題」
滝本 見吾(独立行政法人国立病院機構京都医療センター 消化器内科) 4分
一般演題(方法)(発表6分・質疑2分)(13:25)
司会:荒木 寛司(岐阜大学医学部附属病院光学医療診療部)
山口 直之(長崎大学病院 光学医療診療部(消化器内科))
1.ネオベール(ポリグリコール酸シート)および関連する術具開発
グンゼ株式会社 メディカル事業部 技術開発センター 所長
○山内 康治
2.生体吸収糸を併用したポリグリコール酸シートのデリバリー方法
国立病院機構京都医療センター 消化器内科
○熊谷 健、江坂 直樹、岩本 諭、水本 吉則、勝島 慎二
3.新たな軟性内視鏡用・消化管留置型・着脱式・デバイスデリバリー・ステーション・システムを用いた胃ESD
人工潰瘍底創傷治癒に対するネオベール被覆法
香川大学医学部 消化器・神経内科
○森 宏仁
一般演題(食道・胃)(発表6分・質疑2分)(14:00)
司会:飯塚 敏郎(虎の門病院 消化器内科)
鼻岡 昇(大阪府立成人病センター消化管内科)
4.食道ESD後潰瘍への小切片法によるポリグリコール酸シート貼付
秋田大学 消化器内科
○松橋 保、沢口 昌亨、飯島 克則
5.早期食道がん亜全周切除後の狭窄予防にトリアムシノロン局注、PGAシートおよびフィブリン糊の併用が有効であった一例
山形大学医学部内科学第二(消化器内科学)講座
○佐々木 悠、阿部 靖彦、矢尾板 孝夫、八木 周、作田 和裕、東海林正邦、西瀬 祥一、上野 義之
6.食道ESDにおけるポリグリコール酸シートによる組織補強の有用性の検討
虎の門病院消化器内科
○田中 匡実、菊池 大輔、飯塚 敏郎、貝瀬 満
7.内視鏡的拡張術による食道穿孔に対してPGAシートが有効であった1例
静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
○川田 登、田中 雅樹、滝沢 耕平、角嶋 直美、小野 裕之
8.食道癌術後吻合部の難治性瘻孔の閉鎖に対するPGAフェルト充填の有用性について
大阪府立成人病センター消化管内科1)、同 消化器外科2)
○松浦 倫子1)、鼻岡 昇1)、石原 立1)、飯石 浩康1)、杉村啓二郎2)、宍戸 裕二2)、宮田 博志2)、矢野 雅彦2)
9.胃ESDにおけるヘパリン置換症例に対する後出血予防を目的としたポリグリコール酸シート(PGAシート)の有用性に関する検討
岐阜大学 医学部 消化器病態学
○井深 貴士、荒木 寛司、小澤 範高、杉山 智彦、髙田 淳、久保田全哉,、白木 亮、清水 雅仁
10.ポリグリコール酸(PGA)シート被覆法により緊急手術を回避し得た胃ESD後遅発性穿孔の一例
JA長野厚生連篠ノ井総合病院 消化器内科
○三枝 久能、児玉 亮、牛丸 博泰
11.胃全摘後食道空腸縫合不全に対し、ポリグリコール酸シートによる被覆法が有用であった1例
武田総合病院消化器内科1)、独立行政法人国立病院機構京都医療センター消化器内科2)
○大石 嘉恭1)、滝本 見吾1),2)、松山 希一1)
一般演題(十二指腸・大腸)(発表6分・質疑2分)(15:25)
司会:辻 陽介(東京大学医学部附属病院 消化器内科)
森田 圭紀(神戸大学医学部附属病院 消化器内科)
12.浸水下内視鏡的乳頭切除術により生じた穿孔に対し、Polyglycolic acid sheetsが有用であった1例
大阪府立成人病センター消化管内科
○東内 雄亮、竹内 洋司
13.十二指腸ESD後に留置スネア/クリップ法およびポリグリコール酸シート・フィブリン糊
被覆法を併用した創部縫縮が有用であった一例
東京大学医学部附属病院 消化器内科1)、東京大学医学部附属病院 検診部2)、東京大学医学部附属病院 光学医療診療部3)
○片岡 陽佑1)、辻 陽介1)、齋藤 格1)、坂口 賀基1)、新美 恵子2)、小野 敏嗣1)、小田島慎也1)、山道 信毅1)、藤城 光弘1),3)、小池和彦1)
14.ポリグリコール酸シート+フィブリン糊被覆法を用いた抗血栓薬服用下の大腸ESDの治療成績
がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科1)、消化器内科2)
○田畑 拓久1)、小泉 浩一2)、柴田 理美2)、服部 公昭2)
15.抗血栓薬継続下ESDにおけるPGAフェルト+フィブリン糊被覆法の後出血予防効果とその限界
長崎大学病院 消化器内科1)、同 光学医療診療部2)
○福田 浩子1)、山口 直之1),2)、中 鋪卓1)、中尾一彦1)
16.ネオベールを使用した内視鏡治療症例の検討
神戸大学医学部附属病院 消化器内科、神戸大学医学部附属病院 光学診療部
○小原 佳子、森田 圭紀、石田 司、田中 心和、河原 史明、豊永 高史
一般演題(新規試験)(発表5分・質疑5分)(16:25)
司会:滝沢 耕平(静岡がんセンター 内視鏡科)
17.内視鏡治療後創に対するポリグリコール酸シート・フィブリン糊併用被覆法についての臨床研究:多施設後ろ向き研究ならびに前向き研究にむけてのご依頼
東京大学医学部附属病院 消化器内科
○辻 陽介
開会の辞(当番世話人挨拶) 3分(16:30)
滝本 見吾(独立行政法人国立病院機構京都医療センター消化器内科)
【一般演題1】
ネオベール(ポリグリコール酸シート)および関連する術具開発
グンゼ株式会社 メディカル事業部 技術開発センター 所長
○山内 康治
弊社が製造販売するネオベールは合成吸収性高分子であるポリグリコール酸を原材料とし、生体組織接着材との併用にて、肺・肝臓・舌ガン切除面、気胸部位のシール等、縫合部や脆弱組織の補強に幅広く用いられている。
消化器内科領域においては、ネオベールとフィブリン糊を併用した被覆法を食道・胃・十二指腸・大腸ESD後の切除創面保護へ適応することが近年検討されている。しかしながら、創傷部位までデリバリーしにくい、内視鏡下で一度にデリバリーできる量が少ない、貼付部位でネオベールを展開しにくい、上面には落下するため貼付しにくい、高価な生体組織接着材との併用が必要、等々の手技上の問題も提起されており医療現場におけるエビデンスレベルの高い検証の障害となっている。
そのような手技上の問題解決にデバイス側からアプローチすべく弊社では、ネオベールより薄くコシがあり、形状付与性の高いネオベールナノや、胃ESDでのネオベール搬送が容易となるネオベールエンドアタッチの開発をしたので報告する。
【一般演題2】
生体吸収糸を併用したポリグリコール酸シートのデリバリー方法
国立病院機構京都医療センター 消化器内科
○熊谷 健、江坂 直樹、岩本 諭、水本 吉則、勝島 慎二
【目的】ポリグリコール酸シート(以下PGAシート)はポリグリコール酸をメッシュ構造としたシート製剤である。PGAシートは表面張力により自身で接着してしまうため留置する際には表面張力に抗する必要があり、内視鏡的な一括留置が困難である。我々は同じく生体吸収素材からなるモノフィラメント糸(Polydioxanone suture:以下PDS)をPGAシートの外周に縫い込むことでPGAシートに硬さを持たせ、PGAシートの表面張力に対抗することで大きなPGAシートでも安定的に一括留置できる方法を考案し臨床応用しえたので報告する。
【対象と方法】胃ESD後症例7例に対して施行した。ESD後に潰瘍底の径を計測し、PGAシートをカットする。PGAシートの外周に沿ってPDSを縫い込み、止血鉗子を用いてPGA シートを潰瘍底に留置する。上記方法を用いてPGAシートが一括で被覆できるか評価した。なお潰瘍底との接着にはフィブリン糊製剤を用いた。
【結果および考察】PGAシートは5例に一括で被覆できた。2例は2枚での被覆とした。1例に後出血を認めた。
本法ではPGAシートが平面形状を保ちやすくなるため、PGAシートと潰瘍底とを密着させることができる。またフィブリン糊をPGAシートと潰瘍底の間に均一に分布させることができる。問題点としては、①潰瘍底のサイズにあわせてシートをカットする必要がある、②PDSを縫う作業が必要である、③弯曲部では潰瘍底に接着しがたい、④極端な楕円形の潰瘍には一括で留置できない、⑤潰瘍辺縁からの出血は予防困難である、が挙げられる。症例を提示しつつ本法の利点および問題点を解説する。
【一般演題3】
新たな軟性内視鏡用・消化管留置型・着脱式・デバイスデリバリー・ステーション・システムを用いた胃ESD
人工潰瘍底創傷治癒に対するネオベール被覆法
香川大学医学部 消化器・神経内科
○森 宏仁
背景:ESDで無くなった粘膜-粘膜下層は、何かで被包・充填する方が、後の胃の変形や、蠕動不全も予防できる。組織被包剤ネオベール®シートによる潰瘍底の被包は理想的であり、消化管穿孔や出血にも応用されている。しかし、従来ネオベール®シートは、薄いシートであり、水に濡れると固まり、潰瘍底になかなか貼付できないとの指摘が多い。
目的:当院で発明・特許を取得した、新たな軟性内視鏡用・消化管留置型・着脱式・デバイスデリバリー・ステーション・システムを用いて、ネオベールによる創面閉鎖・被覆を迅速に行えるか検討した。
方法:軟性内視鏡用・消化管留置型・着脱式・デバイスデリバリー・ステーション・システム(DSS)の第1弾として、ネオベールのデリバリーデバイスを試作した。ネオベールは、水に濡れると使用困難な薄いシート材質であるため、防水機構がある。4x4cmの大きなシートに外科糸を端に固定する。試作機DSSは胃内で孤立して留置されるため、ネオベールでなくとも、ほかのデバイスも2空内に収納できるので、いわゆる、デバイスステーションとしての新たな機能も持ち合わせている。現在、ある企業と製品化に向けて開発している。今回は、DSSの原案となったEIS 用ダブルバルーン中空収納型デリバリー法(EIS-DSS)についてお示しする図。
結果:EIS-DSSを用いて、胃体上部と胃前庭部に4cm四方のネオベールを容易に貼付できた。
【一般演題4】
食道ESD後潰瘍への小切片法によるポリグリコール酸シート貼付
秋田大学 消化器内科
○松橋 保、沢口 昌亨、飯島 克則
【目的】食道表層拡大型腫瘍に対して積極的にESDで治療されるようになったが、術後の狭窄の克服が課題となっている。また放射線化学療法(CRT)においても施行後の狭窄症状が出現することが認められる。現在それらの克服にむけてTTSバルーンによる拡張を始めとし、種々の方法が検討されている。今回ポリグリコール酸(PGA)シートを小切片で貼付することによる狭窄予防効果、安全性を検討した。【方法】切除後潰瘍が2/3周以上となった症例、サルベージESD症例に対し小切片6x6mm大に切り分けたPGAシートをEMR用キャップに収納し、潰瘍面積に応じてオーバーチューブを用いて複数回貼付した。定着に際しフィブリン糊は使用していない。H260スコープが通過できない場合にバルーン拡張を行った。【結果】全周:1例、追加治療のため検討除外とした。2/3-4/5周:4例、拡張回数は3/4周例での1回のみで他の症例では拡張術は不要であった。サルベージ2症例については小病変のため狭窄予防の検討はできなかったが,全14例で安全性についてPGAシート貼付による有害事象は認めなかった。貼付所要時間は平均8分。全周性の病変においても拡張回数を10回以内と良好な結果が得られた。【考察】PGAシートの貼付法については現在様々な方法が検討されているが,我々の小切片法で、フィブリン糊は使用せずとも数日後の潰瘍底への残存が確認できた。また,潰瘍底はすべてPGAシートで被覆できなくても狭窄予防効果が期待できる可能性が考えられた。安全性についてはPGAシート貼付による偶発症は認めなかった。
【一般演題5】
早期食道がん亜全周切除後の狭窄予防にトリアムシノロン局注、PGAシートおよびフィブリン糊の併用が有効であった一例
山形大学医学部内科学第二(消化器内科学)講座
○佐々木 悠、阿部 靖彦、矢尾板 孝夫、八木 周、作田 和裕、東海林正邦、西瀬 祥一、上野 義之
抄録:食道がんの内視鏡治療後の瘢痕狭窄予防には、内視鏡的バルーン拡張術、トリアムシノロン局注、PGAシート貼付などが有効とする報告があるが、完全な方法は確立されていない。今回、トリアムシノロン局注およびPGAシート、フィブリン糊を併用し狭窄を生じることなくESDを行いえた症例を経験したので報告する。【症例】61歳、男性。胸部中部に半周性強の食道癌が指摘され内視鏡的治療目的に紹介となった。ESDにて一括切除した。標本径は70×48 mm、病変は67×47 mmで亜全周切除となった。狭窄予防のために、人工潰瘍辺縁にトリアムシノロン5 mg/mlを0.1 mlずつ、潰瘍辺縁全体に合計5 ml局注した。次に、フィブリン液をしみこませたPGAシートを内視鏡に這わせ、その一端を鉗子で把持し挿入した。肛門側をクリップで固定し、潰瘍底を覆うように内視鏡を引きながらリリース、口側をクリップで固定後にトロンビン液を散布、3分間、適宜送気し管腔を保ち固定した。2日後にPGAシートが潰瘍底を覆っていることを確認し食事を再開、合併症なく退院した。6週間後のEGDで狭窄なく治癒していることが確認できた。切除標本は中分化型扁平上皮癌0-IIc、pT1a-LPM、ly0、v0で深部断端は陰性、水平断端は僅かに陽性で慎重に経過観察を行っているが現在まで再発はない。【結論】亜全周性食道ESD後にトリアムシノロン局注およびPGAシート、フィブリン糊を併用することで狭窄を予防できた症例を経験した。ESD後食道狭窄の有望な予防法となりうることが示唆された。
【一般演題6】
食道ESDにおけるポリグリコール酸シートによる組織補強の有用性の検討
虎の門病院消化器内科
○田中 匡実、菊池 大輔、飯塚 敏郎、貝瀬 満
【背景・目的】近年表在食道癌に対するESDは粘膜下層病変や放射線治療後の瘢痕を認める症例にも行われるようになってきている。そのため、下層剥離の際に筋層を損傷する頻度も高くなってきており、クリップでの縫縮などが行われているのが現状である。我々は組織の補強目的にポリグリコール酸(PGA)シートとフィブリン糊による損傷部位の被覆を行っており、その有用性を示すことを目的とする。
【対象・方法】2015年1月から2016年12月までに当科で表在食道癌に対してESDを行った症例の中で術中に筋層を損傷し、組織の補強目的にPGAシートとフィブリン糊を併用した4症例4病変(1症例は進行食道癌に対してCRT後の局所遺残病変、2症例は近傍のESD後の瘢痕を伴う症例、1症例は頸部食道の手技に伴う筋層損傷)。局在は頸部食道が2症例、胸部食道が2症例であった。周在性は半周から5/6周性であった。方法は、ESD後にPGAシートを10mm×20mm程度に切って、潰瘍底を被覆ように複数枚貼付した後、最後にフィブリン糊を散布した。術後の発熱(最高体温とした)、CRP、さらに、術後6週間後の内視鏡検査で評価した。
【結果】全ての症例で筋層損傷を認めたものの明らかなESD中に穿孔は認めなかった。深達度はEPが1症例、LPMが3症例であった。ネオベールの貼付時間は記載のあった3症例で平均19.7分であった。術後発熱は(37.4℃~38.3℃)、CRPの上昇は0.7~2.9、翌日の胸部レントゲンで穿孔を疑う所見を認めた症例はなかった。また、術後6週間で全症例において潰瘍底は閉じていた。
【結論】PGAシートは組織の補強目的に使用することは有用で あった。
【一般演題7】
内視鏡的拡張術による食道穿孔に対してPGAシートが有効であった1例
静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
○川田 登、田中 雅樹、滝沢 耕平、角嶋 直美、小野 裕之
【はじめに】
内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)後の遅発性穿孔時の治療法としてPolyglycolic acid sheet(PGAシート)による穿孔部の被覆が有用であることを以前に我々は報告した(Ono H et al. Endoscopy 2015)。今回内視鏡的バルーン拡張術(EBD)による食道穿孔に対して、PGAシートが有効であった症例を経験したので報告する。
【症例】
症例は70代男性。胸部中部食道の食道表在癌3病変に対してESDを施行し、全周性の粘膜欠損を来した。狭窄予防目的にステロイド局注療法(トリアムシノロンアセトニド100mg)を行ったが、ESD3週間後に汎用スコープの通過が困難な食道狭窄を認め、初回EBDを施行した。ESD5週後に3回目のEBDを施行したところ、狭窄部左壁側の食道壁に穿孔を認めた。クリップによる穿孔部の閉鎖を試みたが困難であったため、絶飲食と抗菌薬投与による保存的治療を行った。EBD穿孔2日後の内視鏡検査(EGD)では瘻孔は自然閉鎖しておらず、食道造影でも瘻孔が造影されたため、保存的治療を継続した。EBD穿孔7日後のEGDでも瘻孔は改善を認めず、PGAシート(ネオベール®、グンゼ)を使用し瘻孔の被覆を行う方針とした。最初に、2×1cm大に切除したPGAシートを把持鉗子で瘻孔内へ充填した。次に、3×2cm大のPGAシートで穿孔部の食道壁を被覆し、フィブリン糊(ベリプラスト®Pコンビセット、CSLベーリング)を撒布し同部に固定した。PGAシート充填2日後のEGDでは、瘻孔はPGAシートで充填されていた。食道造影でも瘻孔は造影されなかったため、同日に飲水を開始した。その後充填4日後に食事を開始し、充填7日後に退院となった。充填19日後にEBDを再開し、21日後に穿孔部の瘢痕化を確認した。
【結語】
保存療法のみでは改善しないEBDによる食道穿孔に対して、PGAシートの充填が有効であった1例を経験した。
【一般演題8】
食道癌術後吻合部の難治性瘻孔の閉鎖に対するPGAフェルト充填の有用性について
大阪府立成人病センター消化管内科1)、同 消化器外科2)
○松浦 倫子1)、鼻岡 昇1)、石原 立1)、飯石 浩康1)、杉村啓二郎2)、宍戸 裕二2)、宮田 博志2)、矢野 雅彦2)
<背景>
食道癌術後の吻合部の縫合不全に対しては局所のドレナージ、消化管の減圧が行われるが、局所の感染が終息した後も閉鎖しない難知性瘻孔をしばしば経験する。当院では難治性瘻孔にポリグリコール酸(PGA)フェルトを充填し、組織接着剤を散布する事が、瘻孔閉鎖に有用であった症例を経験した。
<方法> 2013年4月から2016年9月に、局所のドレナージ、消化管の減圧による保存的加療で改善されなかった食道癌術後の難治性瘻孔に対して、1~2週間おきにPGAシートを充填、組織接着剤を散布し瘻孔閉鎖術を行った。その実施可能性,治療成績,有害事象について検討した.
<結果>
3症例[男:3,年齢中央値67(範囲) (64-77)歳]に、食道癌術後縫合不全からの難治性瘻孔にPGAシートを充填、組織接着剤を散布する事で内視鏡的に瘻孔閉鎖術を行った。1~4週間おきに平均3.7 (範囲3-4)回、閉鎖術を行い、術後平均102日(範囲(95-111)日に瘻孔閉鎖を確認した。経口摂取再開後、瘻孔は再燃せず、有害事象はなかった。
<症例>
① 77歳男性。2013年4月、食道癌内視鏡切除+化学放射線療法後の局所再発(Lt,cT2N0M0,cStageⅡ)に対して中下部食道切除術、胸腔内胃管再建術を施行した。術後22日目に縫合不全を発症し、保存的加療を行ったが、治癒にはいたらず、術後63日目に経鼻胃管からの造影検査で気管支が造影され、縫合不全からの肺瘻と診断した。術後65日より4回に渡り、瘻孔にPGAシートを充填後、組織接着剤を散布した。術後100日に内視鏡で瘻孔閉鎖を確認し、術後102日にCTで肺瘻の閉鎖を確認した。
<結語>
更なる症例の蓄積が必要だが、吻合部の難治性瘻孔の閉鎖に対して内視鏡的なPGAシート充填術と組織接着剤の散布は治療選択肢の一つとなり得る。
【一般演題9】
胃ESDにおけるヘパリン置換症例に対する後出血予防を目的としたポリグリコール酸シート(PGAシート)の有用性に関する検討
岐阜大学 医学部 消化器病態学
○井深 貴士、荒木 寛司、小澤 範高、杉山 智彦、髙田 淳、久保田 全哉,、白木 亮、清水 雅仁
【目的】当科の抗血栓薬服用患者全体における胃ESD後出血率は13.5%であった。前方視的に検討した抗血栓薬服用患者に対するPGAシート被覆症例の後出血は4.3%であったが、ヘパリン置換例では17.7%と高値であった(第93回消化器内視鏡学会総会にて発表予定).またヘパリン置換はESD後出血の高リスクであるとの報告もされている.今回当科におけるヘパリン置換症例に対する治療成績とPGAシートの有用性に関して検討した.【方法】2006年4月から2016年12月までヘパリン置換下に胃ESDを施行した20症例を対象とした.後出血の定義は吐下血を認め緊急内視鏡を要したものとした.【成績】平均年齢72.1±8.5歳,男性14例,女性6例,基礎疾患は心疾患15例,脳血管疾患5例,末梢動脈疾患4例,深部静脈血栓症5例であった.ESD後入院期間の平均11.4±4.0日(他病変治療の2例を除く)であった.病変部位はU領域4例,M領域9例,L領域6例,残胃1例であった.平均切除径41.4±6.9㎜であった.後出血は5例(25%)で認め,ヘパリン投与中の症例は2例であり,3例は投与期間外であった.輸血は1例で施行された.血栓性の偶発症は認めなかった.PGAシート被覆群は8例であり、後出血は1例(12.5%)に認めた。非被覆群は12例であり、その内4例(33.3%)に後出血を認めた(P=0.29).有意差は認めなかった.後出血の時期は被覆群で術3.4.7日後(同一症例),非被覆群で術0,2,7,8日後であった.ESD後入院期間は被覆群9.3±1.4日,非被覆群12.7±1.1日であった(P=0.08).【結論】ヘパリン置換症例のESD後出血率は高く,ヘパリン投与期間外でも認める.ヘパリン置換症例に対するPGAシート被覆は,有意差は認めないが後出血が低下する傾向を認めた.
【一般演題10】
ポリグリコール酸(PGA)シート被覆法により緊急手術を回避し得た胃ESD後遅発性穿孔の一例
JA長野厚生連篠ノ井総合病院 消化器内科
○三枝 久能、児玉 亮、牛丸 博泰
胃ESDにおいて、遅発性穿孔は比較的まれな偶発症であり、頻度は0.1~0.45%程度と報告されている。しかし、遅発性穿孔では、腹膜炎を合併して緊急手術となる危険がある。今回、われわれは、胃ESD後の遅発性穿孔に対し、PGAシート被覆法により緊急手術を回避し得た一例を経験したため報告する。
症例は70歳台男性。心窩部不快感のため当院を紹介された。上部消化管内視鏡検査で胃体上部前壁に白色調の小隆起を認 め、生検で胃原発腺房細胞腫瘍が疑われたため、Total biopsy目的にESDを行った。ESD後の潰瘍底に漿膜露出部分を認めたが、クリップ閉鎖を試みることによりかえって穿孔の危険があると考え、追加処置を行わず治療を終了した。しかし、ESD翌朝より発熱とともに激しい腹痛を訴え、腹部CTで腹腔内遊離ガス像を認めた。遅発性穿孔と診断し、緊急手術も検討したが、まずPGAシート被覆法により穿孔部を被覆した上で、保存的治療を試みることとした。
PGAシート被覆法の実施に際しては、PGAシートを2cm幅に切断し、大鉗子孔径の2チャンネルスコープを使用した。ESD潰瘍底の穿孔部を充填するようにPGAシートを貼付し、シート脱落防止のためクリップで潰瘍周囲の粘膜に固定した。さらにピオクタニン撒布用チューブを用いてフィブリン糊を塗布し手技を終了した。以後保存的に加療したところ、徐々に改善し、ESD後11日目より経口摂取を再開、18日目に軽快退院した。
今回PGAシート被覆法により胃ESD後遅発性穿孔での緊急手術を回避し得た。本法は、遅発性穿孔閉鎖のみならず、遅発性穿孔の予防目的にも積極的に施行を検討すべき手技と考えられる。
【一般演題11】
胃全摘後食道空腸縫合不全に対し、ポリグリコール酸シートによる被覆法が有用であった 1例
武田総合病院消化器内科1)、独立行政法人国立病院機構京都医療センター消化器内科2)
○大石 嘉恭1)、滝本 見吾1),2)、松山 希一1)
【症例】70歳、男性.近医にて心窩部痛症状にて施行した上部消化管内視鏡検査にて胃体中部小弯に2型進行胃癌を指摘され当院外科紹介、腹腔鏡補助下胃全摘術、Roux-Y再建法を施行した.術後第3病日に39度台の発熱を認め、術後第4病日に胸腹部造影CT検査施行、食道空腸吻合部周囲に空気像と液体貯留を認めた.術後第5病日透視下上部消化管内視鏡検査施行、吻合部には20mm大の穿孔を認め穿孔部より腹腔内が観察できた.穿孔部にポリグリコール酸シートを充填し、フィブリン糊を噴霧した.また内視鏡を用いて経鼻胃管を空腸に留置した.その後は抗菌薬加療を行い徐々に解熱し炎症は改善傾向となり、術後第18病日に上部消化管造影にて造影剤漏出がないことを確認、術後第20病日に上部消化管内視鏡検査を施行したところ穿孔部分はポリグリコール酸シートで覆われていた.同日より経口摂取を開始し、経過良好であり術後第41病日退院となった.【考察】縫合不全は胃全摘後にある一定の頻度で起こり、時に重篤化する.今回我々は、胃全摘後の縫合不全に対してポリグリコール酸シートにて保存的に治療し得た症例を経験したため報告する.
【一般演題12】
浸水下内視鏡的乳頭切除術により生じた穿孔に対し、Polyglycolic acid sheetsが有用であった1例
大阪府立成人病センター 消化管内科
○東内 雄亮、竹内 洋司
【症例】40代女性、健診の上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部に病変を指摘され、当院を受診した。病変は30mm大でVater乳頭を含む表面隆起型病変であった。生検で十二指腸乳頭部腺腫と診断され、浸水下内視鏡的乳頭切除術を施行された。病変は分割切除となり、病変後壁側を切除した際、穿孔を来した。クリップ縫縮が困難であると考え、Polyglycolic acid(PGA) sheets (ネオベール®)を穿孔部に充填し、フィブリン糊(ベリプラスト®) を噴霧した。経鼻胃管、経鼻胆管ドレナージチューブと膵管ステントを留置し終了した。CTでは明らかな腹腔内遊離ガス像や腹水は認めず、後腹膜に沿って少量のガス像を認めた。術後1日目に軽度の腹痛、背部痛を認めたが、術後2日目には消失し、保存的加療を継続した。術後4日目に内視鏡検査を行い、PGA sheetsで穿孔部が覆われていることを確認し、術後15日目に退院した。【考察】十二指腸穿孔は消化液の影響から重症化しやすく、手術療法となると侵襲性が高くなる可能性がある。浸水下内視鏡的乳頭切除術により生じた十二指腸穿孔に対し、PGA sheetsを用いて保存的に治療できた1例を経験したため報告する。
【一般演題13】
十二指腸ESD後に留置スネア/クリップ法およびポリグリコール酸シート・フィブリン糊被覆法を併用した創部縫縮が有用であった一例
東京大学医学部附属病院 消化器内科1)、東京大学医学部附属病院 検診部2)、東京大学医学部附属病院 光学医療診療部3)
○片岡 陽佑1)、辻 陽介1)、齋藤 格1)、坂口 賀基1)、新美 恵子2)、小野 敏嗣1)、小田島慎也1)、山道 信毅1)、藤城 光弘1),3)、小池和彦1)
【症例】73歳男性【既往歴】前立腺癌
【現病歴】近医で施行された上部内視鏡検査により、十二指腸下行部に隆起性病変を指摘され、精査・加療目的に当院紹介受診となった。
【入院後経過】病変は乳頭対側に位置する3cm大のⅡa、術前生検はadenomaであった。全身麻酔下にESDを施行し一括切除を得た。創部径は約5cmに及んだが、GIF-2TQ260Mスコープ使用下、留置スネア/クリップ法およびポリグリコール酸(PGA)シート・フィブリン糊被覆法併用にて創保護を行った。術後7日目に軽快退院、偶発症は生じなかった。病理結果は、Tubular adenoma with moderate atypia, 2.8 × 1.6cm, surgicalmargin negativeと治癒切除であった。
【考察】十二指腸上皮性腫瘍に対するESDの偶発症頻度は、穿孔20%,後出血10%程度とリスクが高いことが知られている。偶発症予防のためESD後創部の補強は重要であるが、通常クリップによる創部縫縮は技術的に困難なケースも存在する。近年PGAシートによる創保護が注目されているが、創部全体を被覆しきれない場合やシートの脱落などの課題が残される。そこで広範囲切除となった本症例では、留置スネア/クリップ法およびPGAシート・フィブリン糊被覆法を併用することで、創部の保護を盤石に行い術後偶発症を予防することに成功した。当日は本法の動画を供覧する。
【一般演題14】
ポリグリコール酸シート+フィブリン糊被覆法を用いた抗血栓薬服用下の大腸ESDの 治療成績
がん・感染症センター 都立駒込病院 内視鏡科1)、消化器内科2)
○田畑 拓久1)、小泉 浩一2)、柴田 理美2)、服部 公昭2)
【背景】近年、高齢者を中心に心・脳血管系に基礎疾患を有する患者が多く、抗血栓薬服用者に内視鏡治療を行う機会が増加している。抗血栓薬の休薬に伴う血栓症は時に致死的で重篤な後遺症を引き起こしうる。
【目的】当科では血栓症高リスク患者に対して大腸ESDを行う場合、抗血栓薬は極力休薬せず、出血予防として治療後潰瘍にポリグリコール酸(PGA)シートとフィブリン糊を併用した被覆処置(以下PF法)を施している。抗血栓薬服用者に対する大腸ESDにおけるPF法の有効性を評価した。
【方法】2014年6月~2016年10月の間、当科でPF法を用いた大腸ESD 19例20病変を対象とした。患者背景,抗血栓療法,治療成績,偶発症などをretrospectiveに検討した。
【結果】平均年齢は76.7歳,男女比は11:8,病変の局在は盲腸( n=5),上行結腸(n=6),横行結腸(n=2),下行結腸(n=1),S状結腸(n=1),直腸(n=5)であった。基礎疾患として脳梗塞(n=8),心房細動(n=7),狭心症(n=5),心筋梗塞,慢性心不全,深部静脈血栓症,肺動脈塞栓症,上室性頻拍症,凝固因子欠乏症,大動脈瘤,閉塞性動脈硬化症(n=1)があり、抗血栓薬はワルファリンカリウム(n= 3),アスピリン(n=8),クロピドグレル(n=3),チクロピジン(n=1),シロスタゾール(n=3),リバーロキサバン(n=4),ダビガトラン(n=2),アピキサバン(n=1)であった。治療時間は平均112分,病変の大きさは平均30.9mmであった。在院日数は平均6.4日で、治療後偶発症として腹痛(n=3),発熱(n=1),意識消失発作(n=1),嘔気(n=1),血圧低下(n=1)を認めたがいずれも内科的治療により軽快し、出血や穿孔はなかった。
【結語】PF法を併用した抗血栓薬服用下の大腸ESDは手技的な煩雑さはあるものの良好な成績であった。血栓症高リスク群において有効かつ安全な治療法と考えられた。
【一般演題15】
抗血栓薬継続下ESDにおけるPGAフェルト+フィブリン糊被覆法の後出血予防効果とその限界
長崎大学病院 消化器内科1)、同 光学医療診療部2)
○福田 浩子1)、山口 直之1),2)、中 鋪卓1)、中尾一彦1)
【目的】抗血栓薬継続下ESD後に,後出血予防目的にPGAフェルト+フィブリン糊被覆法を施行し,その有用性を検討した.
【対象・方法】
2012年7月~2016年12月にESDを施行した1230例を抗血栓薬継続群240例(被覆群151例,非被覆群89例),休薬群39例,非内服群951例に分類し,治療成績・本被覆法の後出血予防効果を検討した.被覆法は2×1.5cmのフェルト単独又は5×5cmにクリップ縫着を用いる方法で行った.
【結果・考察】
1)継続群は一括治癒切除率87.1%で,他群と有意差を認めなかった.
2)術中出血コントロール不良は継続群で0.4%と低く,他群と差を認めなかった.
3)後出血率は被覆群6.0%(9/151),非被覆群15.7%(14/89),休薬群7.7%(3/39),非内服群 4.1%(39/951)で,被覆群は非被覆群より有意に(p<0.05)低値であった.
臓器別後出血率は,大腸では被覆群0%(3/36)で非被覆群29.4%(5/17)より有意に(p<0.001)低く,非常に有用と思われた.
食道では被覆群2.6%(1/39)であったが,全体で0.9%(3/334)と低率で,問題となることは少ないと思われる.
胃では被覆群10.5%(8/76),非被覆群14.5%(8/55)で差を認めなかった.出血例・非出血例の比較では,フェルト平均残存期間が出血例6.3日で非出血例13.6日より有意に(p<0.001)短く,さらに出血時期は平均9.8日でフェルト脱落後であった.フェルトサイズ別では,残存期間が2cm群12.1日,5cm群9.4日で,2cm群で長い傾向があった.抗血栓薬別・フェルトサイズ別の後出血率は,SAPT/DOACでは2cm群2.0%(1/49)で,5cm群22.2%(2/9)より有意に(p<0.05)低く,非被覆群11.4%(4/35)よりも低い傾向(p=0.07)を認めた.一方,DAPT/ワルファリン(WF)では2cm群31.3%(5/16)で5cm群0%(0/2)や非被覆群20.0%(4/20)と差を認めなかった.
【結論】大腸及び胃SAPT/DOAC症例に対しては本被覆法(2㎝群)により抗血栓薬継続下でも後出血を予防できる可能性がある.しかし胃DAPT/WF症例のような出血リスクが40%以上の症例に対しては十分でなく,より制酸作用の強いP-CABの使用など更なる工夫が必要である.
【一般演題16】
ネオベールを使用した内視鏡治療症例の検討
神戸大学医学部附属病院 消化器内科、神戸大学医学部附属病院 光学診療部
○小原 佳子、森田 圭紀、石田 司、田中 心和、河原 史明、豊永 高史
近年消化器内視鏡分野におけるポリグリコール酸シートとフィブリン糊を用いた被覆法・充填法が注目されている。当院でもその効果を期待し複数の症例で使用しており、今回使用症例を検討した。
症例の内訳および経過は下記の通りである。
・食道術後・吻合部の縫合不全・瘻孔に対する閉鎖目的3例→2例は閉鎖、1例は閉鎖できず
・食道ESD後穿孔に対する閉鎖目的1例→閉鎖
・食道CRT後穿孔に対する閉鎖目的1例→閉鎖できず
・食道CRT後穿孔・大動脈瘻に対する閉鎖目的1例→閉鎖
・食道APC後穿孔に対する閉鎖目的1例→閉鎖
・膵炎による食道気管支瘻に対する閉鎖目的1例→瘻孔は縮小傾向
・食道術後、吻合部狭窄に対する内視鏡的拡張術時の穿孔に対する閉鎖目的例→閉鎖
・胃全摘後吻合部縫合不全・瘻孔に対する閉鎖目的1例→閉鎖できず
・胃ESD後遅発穿孔予防目的6例(3例は吻合部病変)→いずれも遅発穿孔は認めず
・胃瘻抜去後閉鎖不全に対する閉鎖目的1例→閉鎖
・十二指腸ESD後遅発穿孔に対する閉鎖目的1例→閉鎖
・難治性十二指腸潰瘍に対する治癒促進目的1例→二日後に脱落するも潰瘍は治癒傾向
・内視鏡的十二指腸乳頭切除術後、遅発穿孔予防1例→遅発穿孔はないが後出血あり
・直腸ESD後後出血に対して再出血予防目的1例→その後再出血は認めず
計21症例中、潰瘍底に対する被覆が9例、穿孔部・瘻孔に対する充填が12例であり、前者ではESD後症例については全例遅発穿孔・後出血は起きておらず、後者では9例で穿孔部・瘻孔の閉鎖ないし縮小傾向が見られた。
効果不十分例の検討も含め呈示する。
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