一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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2025年 理事長 年頭所感

理事長 田中 信治

 

 2025年の年始にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 

 2020年春からのコロナ禍後から約5年が経過しましたが、2023年5月に5類(オミクロン株)感染症にシフトし、一般社会生活はほぼコロナ禍以前の状況に戻ってきました。院内ではまだ感染防止のためのマスクの着用を継続している病院もありますが、マスクの着用を個人の自由にしている病院もあり、コロナ禍は徐々に完全収束に向かいつつあります。実際、コロナウイルス感染予防のために現在マスクを着用しているのは世界の中で本邦くらいです。個人的には少し過剰な対応ではないかと思っています。一方、ウクライナやパレスチナなど海外では紛争が今も継続していますし、円安による物価高騰が続いています。海外からの訪日者は非常に増えていますが、日本人は航空券が高騰しており海外出張しにくい状況が続いています。1日も早く国際紛争が終結し円安が改善していくことを切に願っております。

 

 学術集会や会食(パーティー)も対面中心の従来の開催形式に戻りましたが、コロナ禍の期間に発展普及したWEBは国内外でしっかりと定着し、特に本邦では、ハイブリッド形式やオンデマンド形式が現地開催と併用され、会場に参加しにくい先生に対して有効活用されています。しかし、WEB会議は、形式的な会議やお互いに熟知している相手との情報交換には有用ですが、初対面同士や若い先生と他施設の先生との人間関係構築には極めて非力なツールですし、熟知している者同士でも「ひそひそ話」が出来ないなど大きな欠陥があります。学会の醍醐味は、単に講演や発表を聞くことだけではなく、講演会場外(食事会なども含め)での他施設の先生との対面での直接交流だと思います。指導医の先生は、是非若い先生を学会会場に連れて行って学術以外の指導や人的交流の場の提供を行って頂ければと思います。

 

 さて、第107回JGES総会(2024年5月30日〜6月1日)は、東京において入澤篤志会長のもと「新たな未来を切り拓く消化器内視鏡:次世代への継承、創造、そして革新(Gastrointestinal Endoscopy for opening the way to a new future:Inheritance、 Inspiration、 and Innovation)」をメインテーマとして盛会裡に開催され、多くの参加者(8,344人)が現地開催とオンデマンドで参加されました。第48回JGES学会セミナーは、2024年9月22日に藤崎順子会長のもと、対面形式+オンデマンド配信にて東京で開催され、合計2,393人という多くの参加登録者で盛会でした。第108回JGES総会(JDDW2024、2024年10月31日〜11月2日)は、神戸において矢作直久会長のもとハイブリッド形式+オンデマンド配信にて開催されました。現地で8,512人の参加、JDDW全体では20,303人の参加があり(2024年11月4日現在)、会場は対面参加された先生で大変活気の溢れた雰囲気でした。

 

 会員34,266人(2024年2月29日時点)を擁する本学会の抱えている課題は多く、専門医制度の整備、女性内視鏡医のキャリアサポート、国際化事業の継続とさらなる発展など沢山の課題が山積しています。昨年秋には、「女性内視鏡医キャリアサポート委員会(塩谷昭子 担当理事・委員長)」の下部組織として、Women Endoscopists for Global Exchange and Career Advancement(WEGECA)が立ち上り、Women in Endoscopy(WIE)およびWomen in Gastroenterology Network Asia Pacific(WIGNAP)などと連携して本邦の内視鏡に携わる女性医師が海外で活躍している女性医師と交流を行い、消化器内視鏡診療や研究に能力を最大限に発揮できるよう国際的情報交換の場を提供し、更なる研鑽や共同研究などを推進していきます。また、皆さんご存じのように、第1回JGES International(JGESの公式国際学会)が、井上晴洋先生をPresident(Vice-President 山本博徳先生)として、2025年9月5日〜6日に都市センターホテル(東京)で開催され、ライブデモンストレーション、ハンズオンセミナー、前述のWEGECAなども予定されています。本邦からも是非多くの先生が参加され、JGES国際化の流れがさらに勢いづくことを期待しています。

 

 JGESの英文誌に関して、DEN(Editor-in-Chief:Takayuki Matsumoto先生)の姉妹誌DEN Open(Editor-in-Chief:Takao Itoi先生)に昨年Impact Factorが付与され、両誌の今後のさらなる発展が期待されます。

 

 本年は、5月9日〜11日に第109回JGES総会が山野泰穂会長のもと札幌で、第49回JGES学会セミナーが9月21日に春日井邦夫会長のもと対面形式(名古屋)+オンデマンド配信で、第110回JGES総会(JDDW2025、2025年10月30日〜11月1日)が神戸で田中聖人会長のもと開催されます。多くの会員の参加と活発な議論を期待しています。

 

 最後に、今年もJGESのさらなる発展を目指して頑張って参ります。引き続き会員の先生方のご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 

New Year Greetings from the JGES President (English)

第109回日本消化器内視鏡学会総会

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