2018年1月9日
平成30年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本誌面をお借りして、本学会の現状と課題について、述べさせていただきます。
日本専門医機構におけるサブスペシャルティ学会専門医について、本学会の中心的基本領域学会である日本内科学会に対して、何度となく検討会を開催していただき、同時にプレゼンテーションをさせていただきました。その結果、昨年9月8日に開催されました日本内科学会理事会において正式に「本学会の専門医制度を日本内科学会のサブスペシャルティとすることを認める」と承認を得るに至りました。また、外科系の会員のためにも日本外科学会に対しても働きかけてきました結果、昨年11月22日開催の「外科学会専門医制度委員会」と「外科関連専門医制度委員会」の合同会議にて同様の承認が得られました。現在、日本内科学会、日本外科学会とも連携して日本専門医機構に本学会を機構のサブスペシャルティとして認めていただく手続きを進めています。日本は内視鏡診断と治療の技術で世界最高水準にあり、その医療機関が蓄積しているデータを集めてデータベース化するJapan Endoscopy Database(JED)Projectを平成27年より開始しており、昨年末時点で100施設のご協力をいただくことができました。また、平成32年度より全指導施設に対してJEDへの入力必須化が決定しましたので、その事業に対応すべく今春には「一般社団法人JED研究機構(JED Institute)」(仮称)が創設されます。本学会の指導施設のみならず消化器内視鏡を使用している施設が容易にJED Projectに参画いただけるよう各種の提案と運営を開始いたします。ホームページもJED専用ページをリニューアルしておりますので是非ご覧ください。
平成27年より内視鏡検診・健診あり方検討委員会を新設して活動しています。「上部消化管内視鏡スクリーニング検査マニュアル」を昨年春に発行し、本年度は「下部消化管内視鏡スクリーニング検査マニュアル」を発行予定です。
教育プログラムの充実と改善を図ることは、本学会として重要な役割です。特にこの数年でビデオライブラリーなど教育用資材の整備が進み、現在70本を超える動画がアップされています。
平成27年春の総会より開始しましたCore Sessionは、4回の総会に亘って継続的主題を扱うという新しい試みですが、第1弾のテーマ「Advanced Diagnostic Endoscopy」および「Interventional EUS」は全4回の行程を終え、昨年はそれらの成果が英文誌に投稿され、順次掲載されています。さらに昨年からは、第2弾のテーマ「Innovative Therapeutic Endoscopy」でCore Sessionが始まりました。
ガイドラインに関しては、平成29年度は「小腸内視鏡診療ガイドライン」を英文誌に、「EPLBD診療ガイドライン」「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン 直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017」を和文誌に公開しました。今年度は、「EST診療ガイドライン」が英文誌に投稿中であり、和文誌には新たに「早期胃癌診断のための内視鏡ガイドライン」「消化器内視鏡の洗浄・消毒標準化にむけたガイドライン」「経口内視鏡的筋層切開術(POEM:per-oral endoscopic myotomy)ガイドライン」の掲載が予定されています。さらに「大腸スクリーニングとサーベイランスガイドライン」の作成が新たに開始されました。
国際事業としては、アジアの発展途上国において将来、内視鏡分野のリーダーとなるような医師(Rising Stars)に日本での研修機会を提供し、当該国での消化器内視鏡指導者の育成を支援するため、JGES“STARS”(JGES Supports Training of Asian Rising Stars)プログラムを立ち上げました。また、同プログラムの下、来日される研修生には春の日本消化器内視鏡学会総会にも参加していただくことで、本学会会員の国際化推進にも貢献することを目指しています。英文誌Digestive Endoscopy(DEN)のインパクトファクター(IF)はついに3(3.238)を超え、今後もさらなる飛躍が期待されます。新投稿カテゴリーの「DEN Video Articles」も大変好評です。
和文誌は完全Web化となってから今年で2年目を迎えており、会員の先生方におかれましてはJSTAGEおよび電子書籍サービス(KaLib)をご利用いただいていることと思います。昨年11月からは、最新号に掲載される論文からベストの内視鏡画像等を和文誌編集委員会が選考し、掲載誌とメールマガジンのトップに掲載する企画「Image of the Month」がスタートしております。今後も皆様からの論文投稿をお待ちしております。
本年度も会員の皆様の一層のご支援、ご協力をお願い申しあげます。
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