2024年1月9日
理事長 田中 信治
2024 年の年始にあたり、ご挨拶を申し上げます。
2020 年春から始まったコロナ禍もついに5 年目になりますが、昨年2023 年5 月には感染症2類から5 類(オミクロン株)にシフトしました。院内では、感染防止のための厳重な管理体制が継続して敷かれていますが、社会的には海外のみならず本邦でもアフターコロナ時代に突入し、海外の訪日者も多くなり、学術集会や会食(パーティー)も対面中心の従来の開催形式に戻ってきつつあります。一方、ウクライナやパレスチナなど海外では紛争が継続していますし、円安による物価高騰が続いており、特に日本人の海外出張がしにくい状況が続いています。 1 日も早い紛争の終結と円安が改善していくことを切に願っております。
このような状況下、第105 回JGES 総会(2023 年5 月25〜27 日)が東京において、松本主之会長のもと「エビデンスと実践に基づく新内視鏡学の確立(Advance in evidence- and experience-based endoscopy)」をメインテーマとして盛会裡に開催され、多くの参加者(9,026 人)が現地とWEB で安全に参加できました。第47 回JGES 学会セミナーは、2023 年9 月24 日に佐藤公会長のもと、対面形式+オンデマンド配信にて東京で開催され、合計2,324 人という多くの参加者で盛会でした。第106 回JGES 総会(JDDW 2023、2023 年11 月2 〜4 日)は神戸において、本学会初の女性会長である塩谷昭子会長のもとハイブリッド形式にて開催されました。現地で8,500 人以上の参加、JDDW 全体で21,000 人を超える参加者があり(2023 年11 月4 日現在)、ハイブリッドではありましたが多くの方が対面で参加され会場に活気のある雰囲気を久しぶりに体感し、学会の通常開催が戻ってきたことを感じました。対面の人的交流の重要性を改めて痛感した学会でした。
コロナ禍にWEB が広く普及し安定してきたこと、子育て中の女性医師や開業医の先生方の状況も考慮して、今後は、JGES の学会(総会、支部例会)は原則対面開催(総会はオンデマンド配信あり)、聴講がメインのセミナー(学会セミナー、重点卒後教育セミナー、支部セミナー)は原則WEB 開催としていくことが理事会で決定しています。なお、学会セミナーは会長の裁量により、対面形式+オンデマンド配信で行う場合もあります。
会員約35,000 人(2023 年11 月時点で日本医学会分科会第5 位の会員数)を擁する本学会の抱えている課題は多く、専門医制度の整備、JED(Japan Endoscopy Database)プロジェクトの推進、教育・研修システムの改革と充実、女性内視鏡医のキャリアサポート、国際化事業の継続とさらなる発展、英語セッションの充実、ガイドラインの整備、医療安全・倫理の問題、世界的視野に立った産学官共同事業の推進などが山積しています。一方で、JGES International という本学会の国際学会が総会とは独立した日程で、井上晴洋先生をPresident(Vice-president 山本博徳先生)として、第1 回目の開催を2025 年9 月5 〜6 日に都市センターホテル(東京)で予定されており、ライブデモンストレーションも企画予定です。JGES 国際化の強化が期待されますし、本邦からも是非、多くの先生が参加されることを楽しみにしています。
JGES の英文誌DEN(Editor-in Chief:Takayuki Matsumoto 先生)のImpact Factor は、波はあるものの順調に上昇を続けておりますし、その姉妹誌のDEN Open(Editor-in Chief:Takao Itoi 先生)も投稿しやすいようにDEN からのトランスファー割引率を大幅に引き上げました。また、DEN Open は2023 年6 月21 日付でESCI への収載が決定し、創刊後のすべての掲載論文がWeb of Science の収録対象となります。最初のImpact Factor は2024 年に付与されます。
本年は、 5 月30 日〜6 月1 日に第107 回JGES 総会が入澤篤志会長のもと東京で、第48 回JGES 学会セミナーが9 月22 日に藤崎順子会長のもと対面形式+オンデマンド配信で、第108 回JGES 総会(JDDW 2024、2024 年10 月31 日〜11 月2 日)が神戸で矢作直久会長のもと開催されます。多くの会員の参加と活発な議論を期待しています。
最後に、今年も本学会のさらなる発展を目指して頑張って参ります。引き続き会員の先生方のご協力を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。