一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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大腸内視鏡検査ってどんな検査ですか?

 まず、この検査を受けられるにあたり、一番大事な事が、腸をきれいにする事です。この前処置をしっかりと行わないと、きちんとした検査になりません。腸管洗浄液という薬を飲んでいただき腸の中をきれいにした状態で、検査を行います。(図1)

図1 前処置がうまくできてない腸ときれいになった腸 図1 前処置がうまくできてない腸ときれいになった腸
図1 前処置がうまくできてない腸ときれいになった腸

 検査の際には、ベッド上で左側を下にした横向きになり、膝を抱えるような姿勢で検査を行います。(図2)内視鏡を挿入する前に、局所麻酔のゼリーや潤滑用ゼリーを使い、肛門に病気がないか診察で確認してから開始します。その後、内視鏡を肛門から挿入していきます。太さ約12mmの内視鏡(図3)を肛門から挿入し、大腸の一番奥である盲腸まで内視鏡を進めます。大腸の長さはおよそ150cmで個人差があり、また、腸の形によっては、仰向けや右向きへと患者様の体の向きを変えながら内視鏡を進めていきます。

図2 検査の姿勢
図2 検査の姿勢
図3 大腸内視鏡
図3 大腸内視鏡

 盲腸に到達した後、内視鏡を徐々に抜きながら観察を行っていきます。内視鏡を抜く際、10分ほどかけて腸内をじっくり観察しますが、腸の形状や長さにより、多少時間が前後する場合があります。観察の際には、内視鏡から空気(二酸化炭素を使用する場合もあります)を入れて腸管を十分に広げ、大腸のひだの裏まで隅々観察をします。また、腸内に残っている泡や汚れを適宜水で洗浄しながら、病気の見逃しがないように観察していきます。観察の際には腸が空気で膨らむため、お腹が張って気分が悪くなるといった症状がみられる場合がありますが、検査中に適宜空気を抜くことで改善します。
 また、鎮静剤を使用してなるべく苦痛を少なく検査する施設が多くあります。鎮静剤の使用の有無に関しては、各施設にお問い合わせください。
 従来からある、注腸X線検査(バリウム検査)に比べ、内視鏡検査ではリアルタイムに病気などを観察できるメリットがあります。ポリープや癌を疑うような病変があった場合には、必要に応じて病変の組織を一部採取したり、同時にポリープの切除を行うことも可能です。

 

横浜市大市民総合医療センター 内視鏡部
平澤 欣吾
(2017年9月7日掲載、2021年4月9日更新)