一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 Japan Gastroenterological Endoscopy Society

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胆管の石ってどうやって治療するんですか?

(1)胆石の種類

 胆石は石(結石)ができる部位によって、「胆のう結石」(胆のうの中にできる結石)、「胆管結石」(肝臓のそとの胆管にできる結石)、「肝内結石」(肝臓のなかにできる結石)に分けられます(図1)。

図1:胆石の種類

(2)胆管の石の治療法

 このうち、胆管結石は内視鏡でとる治療が一般的です。ほかにも、腹腔鏡を使った手術や通常の開腹手術でとる方法、肝臓に針を刺してとる方法などがあります。石の大きさや場所、患者さんの状態、病院の状況などによって治療法が検討されます。

(3)胆管の石を内視鏡でとる方法(内視鏡的胆管結石除去術)

 胆管の石を内視鏡でとる方法を内視鏡的胆管結石除去術といいます。専用の内視鏡(十二指腸用内視鏡)を口から入れて、胃を通ったあとに十二指腸乳頭部と呼ばれる胆管の出口の近くまで挿入します。つぎに、その胆管の出口の十二指腸乳頭部と呼ばれる部位を電気メスで切開したり(図2)、バルーンカテーテルと呼ばれる風船状の処置具を使ってひろげたりします(図3)。最後にバスケットカテーテルと呼ばれる処置具を胆管の中に入れて、石をとり出します。

 

図2:電気メスを使った胆管結石の内視鏡治療(内視鏡的胆管結石除去術)
a:胆管の出口(十二指腸乳頭部)に電気メス(矢印)を入れる。
b:電気メスで胆管の出口を切開する(矢印)。
c:切開後にバスケットカテーテルという処置具(黒矢印)で石(白矢印)をとり出す。

 

図3:バルーンカテーテルを使った胆管結石の内視鏡治療(内視鏡的胆管結石除去術)
a:胆管の出口(十二指腸乳頭部)にバルーンカテーテル(矢印)を入れる。
b:バルーンカテーテルで胆管の出口をひろげる(矢印) 。
c:ひろげた後にバスケットカテーテルという処置具(黒矢印)で石(白矢印)をとり出す。

 

 この治療は、鎮静薬の注射や点滴を使って、患者さんが眠っている間に行いますので、苦しくありません。

 

埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科
良沢 昭銘
(2017年11月7日掲載、2024年12月3日更新)